どうしても頑張り続けてしまう方へ
頑張ってがんばって、つらくても、頭痛があっても、やらなきゃダメ。
そうするのが当たり前と思ってきた。
臨床で慢性痛の治療をしていると、しばしば、こうした思考をしてしまう方にお会いします。
体調をくずしても、精神的にボロボロになっても、やらなきゃダメな人間だと、疑うことなく自分を追いこんでしまいます。
この永遠に頑張り続ける思考のままでは、いつまでたっても、その方の望むところにたどり着けないかもしれません。
一時的になにかを成しとげたとしても、それ以上にたりないものに気づいてしまうからです。
なぜ頑張り続けてしまうのか
自分のことに対して、自分でわかっている意識(顕在意識)は1割ほどと言われております。9割以上は自分でもわからない意識で、潜在意識と呼ばれています。
普段"自信がない"と思っている方は、心の奥で"自分のことをダメなやつ"と思いこんでいます。
”人にどう思われるか気になり、本当の自分が出せない”方は、心の奥で”本当の自分は悪い、足りない”と思いこんでいます。
”やりたいのに踏みだせない、むずかしい、無理だと思う”方も、”自分にはやれる力がない、責任を負う力がない”と思いこんでいるからです。
つまり、悩みの根底にあるものは、すべて自分の作りあげた思いこみであり、自己肯定感の低さが影響しています。
そのままの自分ではダメだ、本当の自分はダメなどといった”強い思い込み”のことを心理学用語でスキーマといいます。
このスキーマは実態がないため、信じなければ存在しないのですが、ほぼ全ての方が、このスキーマに影響を受けているといわれます。
というのも、このスキーマは、なにも出来なかった幼少期のころにうけた、親のしつけなどがベースになっているからです。
これは親のしつけが悪かったのではなく、自立するまで時間のかかる人間にとって、無力な時期が長いためおこるのです。
思い込みを現実と感じてしまう理由
でも、思い込みじゃなくて、本当に自分にはできないからと思うかもしれません。
できない証拠をみつけて、傷つき続ける方は、「どうせ...」、「やっぱり〇〇だ」などと、できない理由を並べがちです。
また、毎回、危険を避けてしまう方もいます。そんな方は"言わない、やらない、関わらない"と、すぐに回避してしまいがちです。
今回のタイトルであるずっと頑張ってしまう方は、”自分はそんな人間じゃない、そんな人間じゃダメだ”と、ずっと戦ってしまいます。
いずれの場合も、こうしたガチガチ思考をゆるめれば、同じ境遇にいてもストレスになりません。
本来の自分の姿とは
何でもできる憧れの人が、自分の身体に入ったら、ピンチと思った場面も、なんなくやりこなすかもしれません。
もしくは、いまの自分の精神のまま、10歳若く戻ったら、なんでもできてしまうと感じるかもしれません。
知らずしらず、ブレーキをかけてしまうのは、自己防衛反応です。
もし、いつも傷ついてしまうなら、思考は変えることができます。
ガチガチ思考をゆるめるには、まず、そうした仕組みに気づくことが大切です。
そうした自分の思考のクセに気づくことができれば、思い込みという呪縛から解放される一歩になります。