気を使いすぎて疲れてしまう方へ
人に気を使いすぎてしまう方は、
・他人に迷惑をかけることを怖れる
・反射的にすみませんと謝まる
・頼まれると断れない
・頼みごとはできない
そんな傾向があり、人間関係でつかれます。
その背景には、神経質な気質と低い自己肯定感があります。
この記事では、そんな方が適度に力を抜いて生きやすくなる方法をお伝えします。
神経質な気質
遺伝には体質と気質があります。体質とは体の反応傾向で、高血圧や足の速さなどです。気質とは心の反応傾向で、勤勉性や神経質などあります。神経質な遺伝子は約46%親から受けつがれます。
遺伝を受けついでも、神経質か否かは、環境によるところが大きいです。ストレスの強い環境ほど遺伝は発動しやすく、より神経質になります。
遺伝と環境は、相反するものではなく、相互作用するものです。良いも悪いも遺伝的な素質が開花するかどうかは、その素質にあった環境にどれだけ恵まれるかに左右されます。
自己肯定感が低い理由
人は自立するまでに最も時間がかかる動物です。野生の鹿は1時間後に歩けますが、人の場合は1年かかります。生活の自立となると20年かかります。
特に日本の教育やしつけは、できるところを伸ばすより、できないところを直して、周りと同じにしようとする傾向があります。
それらにより、できないと感じる期間が長いほど、自己否定しやすい下地ができあがります。自己肯定感の低さは、自己否定の強さのことなのです。
そして、自己肯定感は自己効力感と違い、何かができるといった成果だけでは感じにくく、存在を肯定できることが重要になります。つまり、「すごい」という言葉よりも、「ありがとう」という言葉によって育まれます。
遺伝と環境による相互作用
それら遺伝や環境が合わさって、自分はダメだと感じるため、自分をさらけだないよう人間関係で気を使ってしまいます。人からの頼みごとを断ったり、人に頼みごとをすることも無意識で恐れてしまうのです。
すると、深い人間関係を築くのがむずかしくなり、表面的なかかわりになりがちです。用件がなければ自分から連絡することもなく、自然と友達付きあいも少なくなってしまいます。一人でいるとネガティブ思考は強まるため、自然とうつ傾向に傾いてしまうのです。
理想の自分と現実の自分にギャップがあるほど高緊張となります。そのギャップを埋めるためには"できない自分"と向きあうことが重要です。
先天的な理由なら
できない理由が発達障害など先天的な問題なら、努力してもできないかもしれません。
発達障害は健常者と比べ、できるところとできないところのムラが大きいため、できるところに目を向けて勝負すると強みになります。
例えば、気を使ってしまう人は、初対面の方にはうまく接することができるため、毎日初対面の方と会う仕事に身を置くことが強みになるかもしれません。
後天的理由なら
できない理由が後天的な問題なら、課題や役割を先のばしせずに、向き合うことが重要です。
人は人に貢献することで自分の存在を肯定できるため、どんなに小さなことでも人に貢献しているという意識が大切です。それにより感謝されたらベストですが、自己満足だとしても、自分にOKをだせるようになります。
しかし、すでにうつ傾向になっている場合は、どうしても休息が必要です。頑張った方にだけ"頑張らなくていい"という言葉があります。回復過程によって治療はことなるので医師の指示に従いましょう。うつは必ず治ります。
おわりに
神経質で自己肯定感が低い方は、人の苦しみのわかる優しい方が多いのも特徴です。過去にフランスでは、次期王様を決めるとき、人の苦しみのわかる人を重視したといわれます。人として最も尊い部分なのでしょう。
また、世の中見渡すと、記憶に残る大物は、何かしら障害があったといわれる人が多いです。人と違うことはポジティブに考えると才能です。アメリカでは生まれ持った高い資質をもつ子をギフティッドと呼びますが、読むことは長けていても計算ができないなどかなり凸凹もあるようです。
大切なのは、ストレス自体はとらえ方によって減らせること。
とらえ方と行動は選ぶことができます。転んでも転んでも歩きだす、子供から生き方を学ぶことが大切なのかもしれません。