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自分が嫌いな方へ

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人は、2つの世界に住んでいます。

ひとつは、現実の世界であり、外の世界。

もうひとつは、知覚された世界であり、内の世界。

 

あなたがもし、自分を好きになれなかったり、良好な人間関係が築けないなら、内の世界の自分と外の世界の自分とにズレがあるのかもしれません。このズレが大きいほど、人は緊張し、不安定になります。

 

そもそも、知覚された世界を正しいものと思い込みがちですが、そのときの価値観によっても、体調によっても変わってくるものです。

 

そのことを日頃から意識し、区別することで、自分の人間性や人間関係の回復をはかることができます。

 

一般意味論を提唱したコージブスキーは「地図は、現地ではない」といいました。地図はどれほど精密に描いても、現地そのものにならない。同じように自己のイメージは現実ではないのです。

 

一般意味論は心理学と共通する部分もあるが明確な療法ではない。病を治すことよりも正常な個人の可能性を広げることに重きを置いている。

一般意味論 - Wikipedia

 

 

自己概念

アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースの来談者中心療法のキーワードに、”自己概念”があります。自己に対するイメージです。

 

例えば、あなたは自分のことを「嫌われ者で、みんなから愛されない」と思い込んでるとします(自己概念)。

 

人はいったん自己概念を決めると、ひとつひとつの経験から柔軟に修正するのが苦手です。当初きめた自己概念に固執する傾向があるためです。

 

できない証拠をみつけて、傷つき続ける方は、「どうせ私は嫌われ者だから」とか、「やっぱり私は嫌われてる」と、理由を並べがちです。

 

この傾向をふまえて、ロジャーズは、カウンセリングの目標を、「十分に機能している人間」としました。つまり、自らの実感を頼りにして生きている人間です。

 

よりよい人間関係のためにも、自己イメージに固執しないことが重要です。そのためにはフィードバック機能としての確認が欠かせません。

 

具体的には、日頃発していることばについて2つ心がけましょう。1つは”ことばの抽象度を意識する”こと、もう1つは”ことばの情緒的な影響力を知っている”ことです。

 

例えば、「嫌われ者で、みんなから愛されない」ということばは、とても抽象的です。”嫌われ者”ということばでは、当然その人自身を言い表せてないし、”みんな”とは誰のことかも曖昧です。そして、現実のできごと以上に、強いマイナスの感情をイメージさせます。

 

ことばの抽象度を意識する

ここで、理解を深めるなら、具体的なことばにすることが大事です。住所と同じように、住んでいるところは日本なのか、何県なのか、何番地に住んでいるのか。

 

”嫌われ者”というのは、自分の内のどういう部分か?”みんな”とは誰のことか。たいてい目に付くレベルの2~3人であることが多く、そんなに考えていない人が大多数です。

 

ことばは便利だけど、誤解をまねくことが多いです。ことばはいつでも言いすぎるし、足りないもの。現実のもの全てをことばにできるわけではないので、ことばで100%表すことはできません。当たり前のようですが、忘れがちなことです。

 

ことばの情緒的な影響力を意識する

ことばは表現の仕方しだいで、実際のものごと以上の反応を引きおこします。例えば「嫌われ者」ということばはネガティブだが、名著"嫌われる勇気"では、人は嫌われることで自由になれるとあります。

つまり「嫌われ者」とは「自由な人」と置き換えられますが、響きや雰囲気がまったく違います。だからこそ、ことばを意識して使いたいものです。

 

古来、日本人は、ことばには強い力があると信じてきました。だから、むやみに発することはせず、無用な争いを避けてきた歴史があります。

 

憲法9条の文面を変えたくない気持ちも、ことばにすると現実となってしまうのではないかと恐れた日本人の心情が表れている気がします。

 

 

まとめ

人間関係で悩んでる方は、適切なフィードバックが入りにくいといわれます。一人でもくもくと考え込むと、推論が入りこんで現実とかけ離れていることが多々あるので、注意したいところです。

 

現実の世界と、知覚された世界とを区別できれば、ことばに振り回されることがへります。外の自分と内の自分がズレてると感じるなら、自分がどんな人間か100個あげてみてください。きっと新しい自己イメージができます。