【腸活】自己チェック&整え方
腸内環境が人の健康に大きな影響を与えていることは常識になっております。でも、なぜ影響が大きいのかご存じでしょうか?
私は医療現場で、日々リハビリ治療を行っておりますが、症状を和らげる対症療法の他に、体質改善として内臓や生活習慣にアプローチをすることも多いです。
特に、便秘の方は治りが遅い傾向にあるため、大腸を手当てして通便を促すと同時に、食事、運動、睡眠、ストレス管理など生活指導をさせて頂きます。
今回は、腸内環境の様子と、腸内環境のチェック法、整え方についてお伝えします。
大腸の歴史は脳より古い
大腸の歴史をさかのぼると、ホヤのような原始的な生物までさかのぼります。
口から食物を摂取し、消化吸収して、肛門から排泄する。口から肛門まで、ひとつながりの管ですが、生き抜くために臓器ができ、神経のネットワークが張り巡らされました。実は、脳神経よりも腸内神経の方が歴史が古く神経細胞が多いのです。
生物にとって口にしたものが栄養なのか毒なのかは、もっとも重要です。命にかかわることなので、人の摂取したエネルギーの大半は、消化吸収や解毒、新陳代謝に使われております。
運動や頭を使うこと以上にエネルギー使ってるんだね
確かに、生命を維持するのがもっとも重要だよね
腸内に住む菌
腸内には約1000兆個もの菌がいるようです。人の細胞の数は最近34兆個といわれていますので、細胞よりもよっぽど多いんです。その腸内菌が人の健康や美容に、最近では性格にも大きくかかわっていると言われております。
腸内細菌は、人に善い影響をもたらすか、否か、どちらでもないかの3種類に分けることができ、それぞれ善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれています。乳酸菌なんかは善玉菌ですね。
腸内で最も多いのは日和見菌で約7割といわれます。日和見菌は善玉菌か悪玉菌のどちらか数が多い方に味方するので、少しでも善玉菌を多く保ちたいものです。特に60歳をすぎると悪玉菌が優位になってきますので、注意が必要です。
大半が日和見菌って人間社会と同じかもw
基本的には強いものにまかれる世界だね
腸内環境の自己チェック法
腸内環境の善し悪しは、便の色やにおいでわかります。便の70%は水分で、それ以外の大半は腸内細菌の死骸だからです。
色が黒っぽくて、臭ければ、悪玉菌が優位です。腸内環境はあれているかもしれません。食べ物が偏りすぎていたり、ストレスが多すぎると、人も動物も便の匂いでわかります。
一方、色が薄くて、臭くなければ善玉菌が優位でしょう。さらに言えば、バナナっぽくて、浮かぶ便(食物繊維が多い)ほど良い便といえます。体質と食べ物の関係は、こちらの記事も参考にしてください。
腸内環境の整え方
腸内環境は人の免疫の8割も影響しています。最近、風邪ひきやすいとか、風邪が長びく方は、自分で腸内環境を整えましょう。ここでは特に影響力の強い食事についてお伝えします。
皆さん、毎日食事から栄養素をとっておりますが、善玉菌が喜ぶ食べ物は何かご存じでしょうか?
答は食物繊維です。食物繊維とはミカンでいうと白いすじのところです。果物や野菜に多く含まれております。よく噛んで食べると、胃の負担が減って、その分治癒力にエネルギーを回せます。
発酵食品も有効で、日本こそ発酵王国といえます。特に味噌汁に変化をつければ、毎日の食卓が無限に広がります。
ちなみに、野菜ジュースは糖分が多いのであまりお勧めはしてませんが、どうしてもの場合は、サラっとしているものではなく、ドロッとしているものを選びましょう。食物繊維が多いためです。
日本人は添加物大国といわれており、年に6kgほどの毒素を摂取しているようです。毒素とは、保存料、着色料、農薬などで、食品を買う際は、原材料を意識したいですね。
特に日本の若者は、アジアのモルモットといわれるほど添加物を食べているので、安易に大量生産されたものを取らずにいきたいものです。
地産地消で顔のわかる方から買うのが一番安心かな
物流にエネルギーもかからないから地球にやさしいしね
なお、ストレス対策に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
腸内は土壌と似ている
土壌もスプーン一杯に数十億匹もの微生物がいるようです。
私は猫の額ほどの畑をやっておりますが、5年やってみて、土づくりの重要性にやっと気づきました。いい野菜を作るにはいい土壌が欠かせません。
土づくりには窒素、リン酸、カリウムなどミネラルや、酸性アルカリ性のpH(ペーハー)の知識が必要で、腸内細菌と全く同じと思ってます。
昔、大仁農場という大規模な自然農法の見学をさせて頂いた際に、健康増進には医農連携が必要と学びました。医療は農業から学ぶ点が多いです。
まとめ
・腸内環境が人の免疫の8割も影響する
・腸内環境の自己チェックとして便をみる
・腸内環境のセルフケアとして食事(特に食物繊維、添加物)を見直す
医療情報は日進月歩で日々更新されますが、今回のような生理学的なものや、筋骨格など解剖学的なものは、人の体が大きく変わらない限り、普遍的なものだと思います。
ぜひ覚えて、日々の健康管理にお役立てください。