【薬膳】自然と調和した食事
生まれ持った体質や、その日の体調に合わせて食材を変えてバランスをとるという考え方があります。
”食”という字は”人”に”良”いと書きますが、どんな食事を意識すればいいのでしょうか?
国際中医師であり薬膳師でもある石部晃子先生から、薬膳による整体観を学びました。
薬膳とは自然と調和させて健康に導く食事で、 今回は陰陽論をベースにお話し頂きました。
たとえば、 落ち着きがなく動き回る男の子と、 くよくよして消極的な女の子がいたとします。
陰陽論では、 それぞれ陽体質と陰体質と分けて、陽体質には陰のエネルギーの食材を、 陰体質には陽のエネルギーの食材を使うことで、バランスをととのえていきます。
では、どれが陽でどれが陰の食材かというと・・・一度読めば感覚的にわかると思いますのでお子さんに活用してみてはどうでしょう!
薬膳の整体観とは
薬膳とは、健康になるための食事のこと。
健康とは、自然との調和。
病気とは、自然との不調和。
人間も自然の一部であり、こうした考え方を天人同一説といいます。
もし病気になった時は、自然と調和させて健康に導くこと。
自然界の法則(陰陽論、五行論)で調和させて整える。
それが薬膳の整体観です。
陰陽論
陰があれば陽があり、陽があれば陰があるように、互いが存在することで己が成り立つ考え方です。
中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つのカテゴリに分類する思想です。
陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こるとされます。このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽論などと言います。
陽はエネルギーを放つイメージ、陰はエネルギー吸収するイメージです。
基本は、太陽は陽で、地面は陰です。
例えば、土に植えたカブが日に当たっている様子を想像してください。
太陽(陽)からエネルギーを浴びる葉は陰。地面(陰)の中でひろがるカブは陽、葉(陰)はカブ(陽)からエネルギーを吸い上げて生長します。
つまり、カブの部分は陽なので、元気のない子(陰体質)に食べさせたいです。
一方、カブの葉は陰なので、元気のあり余った子(陽体質)に食べさせたいです。
そうしてバランスをとっていこうという感じです。
陰体質と陽体質
クヨクヨ、消極的、気を使いすぎのやさしい子は、朝起きるのが苦手かもしれません。そんな陰体質のお子さんには、陽の食材をおすすめします。
陽の食材は、芽が出るもの、生まれるもの、動くもので、気を増やす特徴があります。
たとえば、にんにく、明太子、豚汁など。
一方、イライラ、落ち着きがなく、積極的な子は、席にじっとしてられないかもしれません。そんな陽体質のお子さんには、陰の食材をお勧めします。
陰の食材は、みずみずしいもの、プルプルしたもの、さっぱりしたもので体を潤してくれる特徴があります。
たとえば、レモン、わかめ、おすましなど。
舌の状態で未病に気づく
体の内にあり、唯一外に出て臓器の状態がわかるのが舌です。舌の状態で 、体質や体調を見る方法を舌診といいます。
例えば、陰体質の方は、舌の輪郭に歯形がつきがちで色が薄い特徴があります。過剰な水分があると舌がぼてっとして歯にぶつかるところがへこむためです。
陽体質の方は、舌苔が黄色っぽく、舌の色が紅いのが特徴です。炎症があると、体内の不要物を排泄しようと黄色の苔がでるためです。
舌の状態は朝昼夜でも変わりますが、舌をみて未病に気づけば、台所にある食材で整えることができるでしょう。
未病をそのままにしておくと、発育しにくい、生殖しにくい、老化しやすいなどつながります。
調味料で陰陽工夫
ひとは、体質・天気によって欲している味が違います。調味料で整えましょう。
➀酸味・・酢やレモン汁など
水を増やし引き締めます。怒りすぎに良いです。
②苦味・・抹茶や緑茶など
熱を冷まし落ち着きます。喜びすぎに良いです。
③甘味・・緊張を緩め、調和させます。考えすぎに良いです。
④辛味・・発散させて血行促進。悲しみすぎに良いです。
⑤塩味・・やる気を起こし勇気を出させます。恐がりすぎに良いです。
甘いのを欲するのは、日頃よく考えてるからだな
本当に考えてるのか?あ?
まとめ
日本人は TV で〇〇が体にいいと流れると、翌日飛ぶように売れます。
でも、どんなものでも万人に良いものはなく、それぞれ体質 や体調にあったものをバランスよく頂くことが重要。
そしてそもそも食事とは“命をいただく” ことに他ならず、気持ちを込めた料理には感謝の気持ちが自然とわくものです。
お子さんの食事やお弁当に、参考になれば幸いです。