スピリチュアルを活用した医療
慢性疲労の治療には、体(Body)、心(Mind)、命(Spirit)の3つの視点が重要です。どれか1つだけではなく、この3つすべてをみることが、人の治癒力を最大限引き出すために不可欠です。
しかし、”Spirit”については、とらえどころのない感じがありませんか?スピリチュアルという言葉は、どこかうさんくさいようなイメージを湧きおこしがちです。
もともとSpiritの語源は、息、呼吸などです。聖書では、神様が土で人の形を作り、その鼻に息を吹き込むことで、人は命を与えられます。この神様が吹き込んだ息がSpiritと呼ばれています。
Spiritとは息のように、目に見えないけど無意識で活動してくれる生理的なものと考えてください。生理的なシステムには、自律神経系、内分泌系、免疫系があります。
これらは体を無意識にととのえてくれるものですが、それこそ人がまだ海の生物だったころの月のリズムや、陸にあがってからの太陽のリズム、それ以前に宇宙のリズムによってつくられたものだから、自然とのつながりがベースにあるともいえます。
とくに検査では異常がないけどしんどい時は、自然とのバランスがくずれ、これら生理的な問題が出てきた結果かもしれません。
たとえば、自律神経系のバランスが崩れると、肩こり、頭痛、便秘、冷え性などおこりやすいし、内分泌系のバランスが崩れる更年期には、自律神経症状の他に精神症状もでやすいです。そして、免疫系が崩れると、病気になりやすいだけではなく、アレルギーの問題も引きおこします。
統合医療の第一人者、アンドルーワイル博士によると、医療とは50%がミステリー(神秘)で、40%がマジック(魔法)、残りの10%がメソッド(医学的方法)とのこと。
この50%ものミステリーを引き起こすには、Spiritへの介入が不可欠であり、生理的な機能を回復させることが最も重要です。
具体的には、内臓や頭蓋にアプローチしたり、睡眠、食事、運動習慣を調整したりします。
なお、マジックを引き起こすにはMindへの介入がポイントで、主に信頼関係を築くことで治ってしまう人もいます。プラセボ効果ともいわれますが、それで治るなら、身体的にも経済的にも負担が少なくよいですね。
また、メソッドは教科書的な介入ですが、Bodyの調整はもちろん基本です。日頃、防衛反応で警戒し続けている体をゆるめることは治療するうえでの大前提です。
慢性疲労で来る方は、身体のつらさを訴えるので、まずは身体に介入して変化を出し、信頼関係を築きながら、生理的にも整えていくよう睡眠、食事、運動の指導をすることが最善の方法と考えます。