【課題の分離】難しいけど効果的
反抗期の子供がいると、どうしてもイライラしませんか?
挨拶もなく、散らかしっぱなしで、ああいえばこういう。
子供なりに、”ありたい自分”と”できない自分”のギャップが強くて、もがいてるんだとは思いますが、ついついお互いに感情的になってしまいがちです。
特に母親は大変です。子供も甘えるし、母性本能の繋がりが強いため一体化してしまう傾向にあるのです。
あなたがもし、子供や他人のことで自分ごととしてイライラしてしまうなら、アドラー心理学の課題の分離という見方はとても役立ちます。
これは、目の前の課題は、誰の課題か明確にすることで、当事者は自立心が芽生え、サポート側は余計なものを背負わずに身軽になれるからです。
私も、中1の息子と小5の娘がおりますが、3年前にアドラー心理学にであい、課題の分離を実践し、腑に落ちました。
そのかいあって子供達は、自分の課題は自分事として取り組む力が増えたと同時に、妻の負担も軽減しました。
今回は、反抗期の子供がいる親なら、とても有効だと思う課題の分離についてご紹介します。
課題の分離
われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。他者の課題には踏み込まない。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。
引用:『嫌われる勇気』
例えば、子どもがいつまでも学校の支度をしないと、親が自分ごとのようにあおりたててしまいがちです。
でも、支度しないで大変な目にあうのは誰か・・・子供です。
最終的にその責任を負うのは(学校で困るのは)子供だからです。
不用意に子供の課題に介入すると、間違いなく依存を招きます。他人に指摘されると腹が立つのが反抗期なので、親と子供の間で衝突も起こりやすくなります。
双方に課題の分離ができていれば、無用な衝突は間違いなく減ります。
慣れるまでは、子供にまかせるのに勇気はいるのですが、ある程度、学校で困った方が自分ごととして認識できるため、叱られた方がいいのかもしれません。
もし、子供が自分でできないなら、協力するよと声をかければ、おのずと協力スタンスになります。その結果、子供にも自律の意識が芽生えます。
塾の送迎もそうです。「夜も暗いし送っていこうか?」という協力のスタンスで関わると、口には出なくても、"ありがとう"と気持ちがわくものです。
それがなく、早く支度しろとまくりたてると、反発したあげく、ありがとうの一言もないので、こちらも腹が立ちます。
課題の分離が難しい場合
ちなみに、子供が遅刻したり、忘れ物した場合、ひどい親だと思われることに不安を感じるなら、それは親である自分の課題です。
なぜ不安に思ってしまうか、大抵は世間体を気にしてしまったり、将来を不安視してしまうことがからんできます。
そうした場合は、自分の心に問いかけましょう。なぜ、不安に感じてしまうのか。
また、親子間の信頼関係ができてなくて対話にならなかったらどうするか?
Iメッセージを使い、親から子供に冷静な時に、あなたが勉強しないと私は不安でいっぱいだよと伝えるのも手です。
将来とても苦労するだろうから、協力できることはしたいと自己開示することで、無用な反発はさけられるかもしれません。これは共通の課題となります。
ただし、子供がどう受け取るかは、子供の問題であり、タイミングが合わないこともあります。
もし合えばうれしいし、合わなければしょうがない。残念ながらこれをすれば完全に大丈夫というマニュアルは、人間関係においてはないように思います。
子供のペースにあわせるには子供の目でみて子供の身になり考えるといった共感のスタンスが大切です。
親子といえども価値観や願望は違います。尊重の尊は”尊い(とうとい)”とありますが、語源としては、二度と戻れないかけがえのない時間を意味します。
子育てが終わった方に言わせると、渦中にいた時期が人生で最も充実していたとのこと。子が離れることは、嬉しい反面、とても寂しく、尊い時間だったことに気づきます。
一生のうち1時間子供と時間をとり、将来のことを話す時間を設けてみてください。その1時間はきっと得難い時間になるでしょう。
子供と衝突を繰り返してしまう方は、まずは課題の分離を明確にしてみてはいかがでしょうか?