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ビッグヒストリー大図鑑 宇宙と人類138億年の物語

 

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ビッグヒストリー大図鑑~宇宙と人類138億年の物語~

2017年に発行されたこの本は、私の知的好奇心を満たしてくれる特別な1冊です。

 

少し前から、サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ著)など、全体を俯瞰できるような本が増えていますが、この本はさらに宇宙誕生から現代までの観察しうるすべての時間を扱ってます。

 

価格が約1万円と高価なため、購入にためらいましたが、じっくり隅々まで読みたかったので発行時に購入し、1か月かけて読みました。今、再び再読してるところです。

 

私は普段、慢性痛のリハビリを専門としておりますが、慢性の痛み、病気、障害、死因のほぼ9割は生活習慣由来といわれています。では、どんな生活習慣が人にとって適応的かを考えると、人類史にヒントがある気がして、興味を持つようになりました。

 

・現生人類とすべての絶滅した人類との違い

・人類史99%もの狩猟採集時代から、農耕時代への生活の変容の仕方

・すべての文明の始まり方と終わり方

大航海時代、他の人種と出会った人の行動パターンなど

 

現代の社会問題やこれからの未来を創造するうえでも、歴史から学ぶことはとても参考になります。

 

人にとって自然な生活や本来の姿はどんなものか、自身の健康の参考にしていただければ幸いです。今回は、序文だけまとめました。

 

 

共同創始者の言葉

この世界がどのように発達してきたかを、非常に単純な構造をした誕生直後の宇宙から、恒星の出現やさまざまな化学反応を経て、生命体が存続できる地球のような天体を含む秩序ある宇宙にいたるまで、8つの「大変革」として説明する。

デイヴィット・クリスチャン

 

ビッグヒストリーは、ビッグバンから現在まで、文字どおりすべての歴史を理解するための枠組みです。科学と歴史の教科は、ほとんどの場合、1度に1教科ずつ教えられています。この時間は物理、次の時間は文明の台頭について、というように。ところがビッグヒストリーでは、このような教科間の垣根が取り払われます。生物学でも歴史でも、あるいはそれ以外の科目であっても、何か新しいことを学ぶとき、私は今では、それを常にビッグヒストリーの枠組みに当てはめようとしています。世界について考えるうえで、私がこれほど大きな影響を受けた講座はほかにありません。

ビル・ゲイツ

 

ビッグヒストリーの8つの大変革

第一変革 ビッグバン

第二変革 星の誕生

第三変革 元素の生成

第四変革 惑星の形成

第五変革 生命の出現

第六変革 進化する人類

第七変革 文明の発達

第八変革 近代産業の勃興

 

序文を読んで

ビッグヒストリーとは、私たちがどのような過程を経て存在するようになったのかを解き明かす物語である。

 

生命を終えようとしている星の中で、私たち一人一人の体内にあるすべての原子が作られたということなど、思い出すこともなくなっている。

 

 

自分たちの体内にある原子はすべて、これまでの宇宙で生まれては消えた星の中で生まれたものです。宇宙の始まりは、水素とヘリウムと暗黒物質だけだったけど、重力の影響を受けて物質が凝集し、核融合反応により、炭素や鉄などいろんな元素になったようです。

 

つまり、この人体には138億年の宇宙の歴史がつまっているんですね。

 

根本はつながっているので、世界の反対でとぶ蝶も、一生会うこともない見知らぬ人も、自覚してもしなくても結びついていることがわかります。

 

ビッグヒストリーは、自分の目に見えるものすべて、自分が知っていると思っていることすべてを問い直すときの道しるべになる。

 

自分の目に見えるものがすべてじゃないと教ええてくれます。

 

宇宙からみれば、人類は新しい種で、非常に遅い段階でやっと進化の歴史に登場した存在のようです。しかし、人類が知る限り、宇宙を代表しているという自覚を持った最初にして唯一の種でもあります。

 

何世代にもわたって既存の知識をさらに蓄積できるようになり、人間が学習するスピードはますます速くなって、知識や新しい技術も急増した。

 

現生人類がなぜ、種の拡散と地球の征服に大きな成功を収めたのかは、「コレクティブ・ラーニング(集合的学習)」の能力が備わっていることが大きいようです。

 

この本も一言で言うと”集合的学習”の結晶と思います。

 

人は、蓄積した知識と経験をDNA経由ではなく、文化として伝える手段を発達させました。短時間で正確に情報共有することで、技術革新が容易になり、それによりさらに情報共有のスピードと正確さが増すサイクルができることが、人の進化の最大の要因のようです。

 

インターネットやSNSでの繋がりや結びつきは、必然的で本能的なものかもしれません。行きつく先はどこなのか、宇宙は広がっているようですが、繋がりは強まってるようにもみえます。

 

現代の知識は恐ろしいほどの勢いで多様化し、複雑化しているが、その下には終始変わらない統合的な土台がある。つまり、それぞれの時代区分は必ずどこかでつながっている。

 

本書を読むと、この地球と人類が、まれにみる組み合わせの適応条件から生まれたことも理解できます。