ラグビー観戦して思う 「もののあわれ」と日本人気質
先日のラグビーワールドカップ。普段テレビをほどんどみない我が家でも、家族4人で楽しみました。
我が家では日本に勝った南アフリカを応援したのですが、優勝にわきました!
でも、ついつい負けてる方や、ミスしちゃった人を応援したくなってしまうのが日本人ならではかなと。
また、ラグビーに限らず、日本人プレイヤーって、単独で手がらをとるより、周りと協力してプレイする印象があります。
なんでそうなのか?
日本人とはどんな民族で、どんな価値観をもって、どんな文化だったのか?
そして、自分の思考や行動もどれくらい影響を受けているのか古代史から追いました。
日本人誕生(縄文人×弥生人)
現生人類は約20万年前にアフリカで誕生しました。そこから世界中に広がったのですが、アフリカ→アジアと移動し、日本へは約4万年前にきたといわれています。
シベリアから渡ってきた人類は、北海道から南下して広がりました。東南アジアから渡ってきた人類は、主に九州に広がったようです。
それぞれ縄文人として、山や海の動物や魚を狩ったり、季節の果物や木の実など自然の恵みを採集して過ごしていたようです。
その後、紀元前500年前、中国の戦国時代に、もう戦争するのは嫌だと逃れた人達が日本にわたってきたといわれます。それら渡来人は農耕民族であり、弥生人と呼ばれます。
縄文人は四季ごとに自然の恵みを頂く自然循環型の文明に対し、農耕民族は自然を切り開き田畑を作る自然収奪型の文明といわれます。
顔も骨格も違い、縄文人はずんぐりしたソース顔で、弥生人はすらっとしたしょうゆ顔。
実は、狩猟採集民族より、農耕民族の方が土地をめぐって争いが多く、農作物をとれる人ととれない人で上下関係が生まれがちです。
世界では、縄文人のような狩猟採集民族は、後から来た農耕民族に追いやられたり、争いでまけたりして、遺伝子的にはあっとうてきに農耕民族の血に塗り替えられてしまうものです。
しかし、日本の珍しいところは、それぞれの民族がお互いの生活や文化を尊重し、学び合うことで共存し、民族の血がまざりあった点です。
その混血が日本人の誕生といわれてるよ
遺伝子を調べるとちょうど日本の真ん中あたりの静岡は、縄文人と弥生人の遺伝子それぞれ半々程度で、それより西に行けば弥生人系、東に行けば縄文人系のウェイトが多いです。
日本はアジアの端っこの吹き溜まりのような場所にあることや、四季の恵みの恩恵を受けやすい温暖湿潤気候のため、マイルドに人が混ざり合えたと言われます。
そうした風土により、自分を主張して物事をすすめるよりも、すでにあるものを活かしながら、自然と一体になることを好むところがあるようです。
ちなみに、日本の土器は世界でもっとも薄く、機能的だったといわれてるよ
さすがMADE IN JAPANだな
文化は言葉で作られる
言葉はその民族をあらわすといわれています。私たちの思考は言葉を通して表現されているためです。
例えば、「僕たち結婚します」ではなく「僕たち結婚することになりました」というのは、みずから結んだという意識よりも、おのずから結ばれたという意識が強いためです。
言霊
まだ文字が生まれる前、情報は言葉を発することで伝えられました。
生命とかいて「いのち」と呼びますが、「ち」という響きは神聖なものにつかわれたようでその名残です。
言葉には霊が宿っているのでやたらめった発言しない(発言することで現実になってしまう)と考える傾向があるようです。
憲法9条についてよく議論されますが、現実的に隣国の脅威にさらされつつも、戦争を放棄するとうたうことで、戦争が現実にならないようにしたい気持ちが現れてるのかもしれません。
かつ、自衛隊の位置づけのように、曖昧な表現にすることで、状況がどう変わってもバランスよく現実主義的に対応ができるのも日本人ならではです。
大和言葉
やがて文字がうまれ、日本人は古くからの言葉の響きと、中国からの漢字を見事に融合させます。世界的にも、漢字、ひらがな、カタカナと3つを使い分ける国は珍しいです。
古くからある大和言葉に、「もののあわれ」という言葉がありますが、これはいまでも日本人をとらえてるなーと感じます。
もののあはれ(もののあわれ、物の哀れ)は、平安時代の王朝文学を知る上で重要な文学的・美的理念の一つ。折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、しみじみとした情趣や、無常観的な哀愁である。苦悩にみちた王朝女性の心から生まれた生活理想であり、美的理念であるとされている[1]。日本文化においての美意識、価値観に影響を与えた思想である。王朝時代 - Wikipedia
試合で負けそうなチームをつい応援したくなったうのはそういうことか
もののあわれだな
その後、海外の影響を受けつつも、日本化するのが得意で、神仏習合、西洋化、禅など、日本流に融合して根付いてきました。
まとめ
日本の歴史のなかでも古代を主に調べましたが、その結果、この3つが特記すべき日本人の特徴とかんがえます。
➀私をなくし自然に溶け込んだ状態を好む
②バランスをとる現実主義者
③外のものを消化吸収し自分化するのがうまい
どうでしょうか?みなさんにもそんなところありませんか?
いま、世界の多くは自然奪取型の文明で発展しました。自然が厳しい環境のなか、人類の生き残りをかけてうまれたものなので、良い悪いではありませんが、その影響は強く、現代では自然の負担が強まってます。
こんな時代だからこそ、日本人古来の自然循環型の感性を活かして、自然との共存の道を世界に発信たいものです。