自然体になるためのプロセス
周りに合わせすぎて、しんどくなる。
無理している自分に疲れた。
もっと、自然体になれたらいいのに。
そう思うことはありませんか。
自然体とは、「気負いのない、自然な態度。」のようです。
どうすればなれるのでしょうか?
結果(果を結ぶ)には、”根”からの過程が重要です。
無店舗の植物屋さんである”うえる”さんが、長年植物に関わった視点から書かれた"植物が教えてくれた「自然体」で生きる方法”
それを参考に、自然体について考えました。
根
大地にしっかりと根差し、その環境や状況、状態に適応することを選択し覚悟を決めたということです。何があっても、起こっても、その場所で一生を全うし、次へと繋ぐ!
植物は地に種をつけることから始まります。人も地に足をつける覚悟から始まるのでは。人は選択肢が多いことでかえって逃げ道をつくってしまいます。どこにも根をはれないということはスタートにも立てていないのかもしれません。
株
頑なに硬いだけでは、台風のような強風、突風によって、いとも簡単に折れて倒れてしまいます。。。そうならないために、表面的な部分では硬く、内面的には柔らかく在ります。。。
人も同じく、硬いだけだと強いストレスで折れてしまうし、柔らかいだけでは支えられません。硬さと柔らかさをもってこそ、しなやかに生きられるように思われます。
枝
ヒトツだけを選択するのではなく、いくつかの選択をしてみる。。。
枝が示してくれているのは、そんな「可能性の為の分岐と選択をする」という「生き様」です。
どうしても人は、好きなものに偏って選択してしまいがちです。偏りすぎて倒れないようにバランスをとっていくことが大切かもしれません。
葉
「運ぶ」ということと「動く」という事。どちらだけでもいい訳ではなく、連動させることによって、循環が起こり、未来へと進み続けることが出来る。
エネルギーを蓄え、流すこと。この連携が、円滑に機能し成長することのようです。エネルギーばかりとって、蓄えすぎると身が重くなります。現代人は流すことのウェイトが少ないのかもしれません。
花
どう見せたいとか、どう見せようとか、、、
そんなヒトが考えるような打算的な計算や、邪な損得はありません。
そこに存在しているのは、よりよい状態に進化し、より効率よく変化し、繁殖するのかという、純粋なる想いと思いしかありません。
他からどう見られても、自身の目的が明確であれば、ぶれることも迷うこともないのかもしれません。そのいさぎよさが、結果的に美しくみえるのかもしれません。
実
「実」が成るというのは、そこまでその植物が成長したからです。あらゆる環境や状況、状態を乗り越えて来た「証」でも在ります。実が現れると書いて「現実」です。
この現実をどううけとめるか。何が悪かったのかといった原因探しではなく、これまでの過程により実を結ぶということ。自然体になりたいのなら、それまでの過程を大切にしたいです。
土壌
植物の生育自体に大きく影響させるモノではないけれど、、、無いと有るのでは、植物の成長に格段の差が生じます。それが「微量要素」といわれる存在です。それら細かい様々な「要素」、、、それが「刺激」であったり、「抵抗」であったり、「負荷」や「負担」です。
人も自然体に成長するには、豊かな環境が必要です。栄養だけではなく、負担さえもすべてを活かして生きる。それが本当の「生活」のようです。
自然の法則
相反するエネルギーが同時に存在しているというのも、自然の法則です。物理学では、「作用反作用」といわれています。それは、目に見える物質だけに起きているのではなく、目には見えないエネルギーにも起きています。この世は、「一対」でできている。
人はいろんな感情や考えが沸き起こりますが、"一対"が作用しているからのようです。
光がさせば影がでるように、物事はすべて一対で成り立ってます。東洋医学では陰陽といいます。
その場、その時、その瞬間を、どう生き、どう在りたいのか、それが自然体で生きるということのことです。
自然体とは
果実がなるには、その過程が重要です。
そこで一生いきるという覚悟。栄養だけでなく負荷もすべて生かして生き抜く覚悟。それなくして自然体な生き方は生じないと感じました。
植物は土壌を選べないけど、人は選べます。選べるがゆえに、覚悟が必要です。根無し草では一生定まりません。
多少苦しいことがあっても成長の糧と捉えられれば、そこは根を下ろしていい場所かもしれません。
でも、苦しすぎて成長できない場所ならば、その場から離れることができるのも動物のもつ能力です。
いままで、あまり深く人とかかわれず生きてしまった方、
幸せに生きていくことを決めたなら、そこに根を張る覚悟が大事です。
地に足をつける意識で、周りの人たちと関われば、より親近感がもてるかも。
生きていれば、どこにでも苦手な人はいるでしょうが、それがなければ成長できません。
自然体とは、表面的な「無理しない生き方」ではなく、地に足がついた生き方であり、いさぎよさかもしれません。
自己主張できず我慢してしまう方へ
みなさんは、人に意見や指摘できますか?
普段、周りにあわせがちで、自分のきもちをなかなか言えない方や、言い方がわるく相手の反発をかってしまう方もいるのではないでしょうか
たとえば、帰りぎわに仕事をふられたとき、先約があったとしても断れない方がいるかと思います。
理由としては、
"断ったらいけない"
”自分勝手と思われる”
"見捨てられる気がする"
”どうせ言ってもしょうがない”など。
無用なあらそいをまねかないよう、いつも自分を我慢させるため、積もりつもったストレスが時に爆発し、関係性がこわれて、自己嫌悪におちいってしまう。
爆発はせずとも、いやな感情は相手にもつたわってるものなので、なるべくストレスはためないに越したことはありません。
今回は、いつも言えずにモンモンとしてしまう方に、言うことでストレスをためこまず、相手にもすっと入る伝え方で、対等な人間関係をきずく技術をおつたえします。
性格を変える必要はないんだね
これはスキルだよ
自己主張とは
自己主張(じこしゅちょう)とは、人間が社会において、自己の意見や考えや欲求などを他人に伝えるということである。
自然のきびしい西洋文化では、自然から自己を切りはなすことで生き抜いてきた経緯もあり、特にアメリカでは、自己主張できない人は情けないと感じられるようです。
一方、日本は豊かな自然がめぐみもたらしてくれるため、自然と一体になることを好みます。そのため自己をけすことを快しとするところがあります。自己主張するとわがままで協調性がないと思いこんでしまうようです。
では、自己主張とは、わがままなことなのでしょうか?
わがままとは
[名・形動]自分の思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。気まま。ほしいまま。自分勝手。我が儘(わがまま)の意味 - goo国語辞書
我がままの"我"という字は、矛(ほこ)に戈(ほこ)で、どちらも武器をあらわします。
相手に向けば相手を傷つけ、我慢をすれば自分がやられるものかもしれません。
それぞれの違いを見てみると、
・自己主張は”自分の思いを伝えること”
・わがままは”思い通りにふるまうこと”
つまり、伝えるだけか、行動するのかがポイントです。
つまり、”思いを伝えること(自己主張)”自体はわがままなことではないんです。
では、どう伝えたら、自分も相手も抵抗なくいけるのか。
伝え方の大原則
一般的に、自分の思いをつたえる時、「あなたにこうしてほしい」「あなたはこうすべきだ」と主語を”あたな”にしてしまうと角がたちます。
相手と信頼関係がとれていなかったり、怒りの感情がともなうと、相手の反発は強まるばかりです。
これを、”YOUメッセージ”といいます。
実は、褒めるというのもYOUメッセージと言われます。介護や医療現場などで、若手が年配の方に「(あなたは)○○できてすごいねー!」なんて言うのは上から目線になっており、失礼なことです。
それに対して、「わたしはこうしたい」「わたしはこうされると悲しい」など、主語を”わたしは”にして伝えると、本人のきもちのことなので否定はできないのです。
これを”Iメッセージ”といいます。
自分の意見をつたえるときは、Iメッセージがよいといわれています。
帰り際に、仕事をふられたとしても、
「このあと用事があるので、(わたしは)つらいな」とか
「このあと用事があるので、(わたしは)明日一番にやりたいと思います」など
そんな表現にすることで、相手も反発が起きにくく、かつ、言わないことのストレスが減ります。
あくまで押しつけるような言い方ではなく、さらっと伝えることがポイントです。
それにより、無用なストレスが減れば、自然とやわらかなオーラとなり、よい人間関係につながるものです。
自分のきもちを言うことに慣れてない方は、今日は寒いなーとか、少しねむいなーとか感じることから始めるとやりやすいですよ。
まとめ
・自己主張はわがままではない。
・自己主張をすることで、よい関係性を築くこともできる。
・その伝え方は、YOUメッセージではなく、Iメッセージがよい。
しかし、人間関係はスキルだけではうまくいきません。いつもわがままを言っていたらどんなスキルをつかってもうまくいかないでしょうし、相手の心理状態によっては、何をしてもダメなことはあるものです。
いつも周りを優先して、我慢しがちな方には、この先ずっと元気でいてほしいです。だから、こうした知識をもって、不用意なことで起きるストレスから身を守ってほしいです。
それでも言うのに抵抗があれば、言わないことの不満と、言うことの不安、どちらがつらいか自分の胸に手をあててみてはいかがでしょうか。
最終的には、言ってもいいし、言わなくてもいい、どちらでもいいの心境になれたら、とても自由でとても楽だとおもいます。
どうしても頑張り続けてしまう方へ
頑張ってがんばって、つらくても、頭痛があっても、やらなきゃダメ。
そうするのが当たり前と思ってきた。
臨床で慢性痛の治療をしていると、しばしば、こうした思考をしてしまう方にお会いします。
体調をくずしても、精神的にボロボロになっても、やらなきゃダメな人間だと、疑うことなく自分を追いこんでしまいます。
この永遠に頑張り続ける思考のままでは、いつまでたっても、その方の望むところにたどり着けないかもしれません。
一時的になにかを成しとげたとしても、それ以上にたりないものに気づいてしまうからです。
なぜ頑張り続けてしまうのか
自分のことに対して、自分でわかっている意識(顕在意識)は1割ほどと言われております。9割以上は自分でもわからない意識で、潜在意識と呼ばれています。
普段"自信がない"と思っている方は、心の奥で"自分のことをダメなやつ"と思いこんでいます。
”人にどう思われるか気になり、本当の自分が出せない”方は、心の奥で”本当の自分は悪い、足りない”と思いこんでいます。
”やりたいのに踏みだせない、むずかしい、無理だと思う”方も、”自分にはやれる力がない、責任を負う力がない”と思いこんでいるからです。
つまり、悩みの根底にあるものは、すべて自分の作りあげた思いこみであり、自己肯定感の低さが影響しています。
そのままの自分ではダメだ、本当の自分はダメなどといった”強い思い込み”のことを心理学用語でスキーマといいます。
このスキーマは実態がないため、信じなければ存在しないのですが、ほぼ全ての方が、このスキーマに影響を受けているといわれます。
というのも、このスキーマは、なにも出来なかった幼少期のころにうけた、親のしつけなどがベースになっているからです。
これは親のしつけが悪かったのではなく、自立するまで時間のかかる人間にとって、無力な時期が長いためおこるのです。
思い込みを現実と感じてしまう理由
でも、思い込みじゃなくて、本当に自分にはできないからと思うかもしれません。
できない証拠をみつけて、傷つき続ける方は、「どうせ...」、「やっぱり〇〇だ」などと、できない理由を並べがちです。
また、毎回、危険を避けてしまう方もいます。そんな方は"言わない、やらない、関わらない"と、すぐに回避してしまいがちです。
今回のタイトルであるずっと頑張ってしまう方は、”自分はそんな人間じゃない、そんな人間じゃダメだ”と、ずっと戦ってしまいます。
いずれの場合も、こうしたガチガチ思考をゆるめれば、同じ境遇にいてもストレスになりません。
本来の自分の姿とは
何でもできる憧れの人が、自分の身体に入ったら、ピンチと思った場面も、なんなくやりこなすかもしれません。
もしくは、いまの自分の精神のまま、10歳若く戻ったら、なんでもできてしまうと感じるかもしれません。
知らずしらず、ブレーキをかけてしまうのは、自己防衛反応です。
もし、いつも傷ついてしまうなら、思考は変えることができます。
ガチガチ思考をゆるめるには、まず、そうした仕組みに気づくことが大切です。
そうした自分の思考のクセに気づくことができれば、思い込みという呪縛から解放される一歩になります。
【性格診断】苦手な人との付き合い方
自分の性格ってどんなだろう?
どうすれば人とうまく付き合えるのか?
この記事では、一般に最も使われてるエゴグラム検査で客観的に自分の性格を知ることができます。
また、苦手だけど毎日顔を合わなきゃならない人や、仲良くなりたい人とのうまい付き合い方についても触れていきます。
この記事でわかること
①自分の性格を客観的に知る
②苦手な人との付き合い方を知る
③仲良くなりたい人との付き合い方を知る
性格とは
性格とは同心円様の構造で表現されます。
①もっとも遺伝的要素の強い気質
②2、3歳ごろまでに形成される気性
③それらを土台に仲間や学校、職場などで形成される習慣的性格
④おかれた位置に基づく役割性格
遺伝的な気質は変わらないけど、環境によるものは変わりやすいといわれます。
同じ人でも、置かれた状況によって、人は変わります。例えば、初対面では口数が少なくても、慣れ親しめば冗談を言い合ったりします。そんな普遍的法則を押さえたうえで、個別法則(個人内の一貫性)をとらえることが重要です。
エゴグラムとは、人と人とが関わる自我状態に注目して性格を分析する検査です。"交流分析”という心理学の理論をベースに作られました。交流分析とは、人と人との関り方がうまくいけば、大半の悩みは解決するという心理療法です。
自我状態にはP、A、Cの3つあります。
・P(Parent)=「親」親から取り込み、形成された部分
・A(Adult)=「大人」自分で収集した情報で形成された部分
・C(Child)=「子供」乳幼児期の経験の残像
さらに細かくみると
①CP(批判的親)、②NP(保護的親)、③A(大人の状態)、④FC(自由奔放な心)、⑤AC(順応的な心)の5つの面があり、これらが合わさってひとつの人格になります。それぞれ詳しくプラス面とマイナス面をまとめます。
①CP:批判的な親(厳しさ)
プラス面は、信念・価値観・理想を持ち、主張する強さがあります。人に対して厳しいことが言えます。
マイナス面は、命令的で人を非難したり、支配したがります。人のあら探しやケチをつけたり、自分の価値観を人に押し付ける傾向があります。
②保護的な親(優しさ)・・NP
プラス面:思いやりがあり、寛大で世話好きです。親切でやさしく親身になって面倒を見ます。
マイナス面:過保護やおせっかいになり、相手の自立を妨げます。黙って見守ることができず、つい手を出してしまいがちです。
③論理的(大人の状態)・・A
プラス面:現実的・合理的で、冷静・論理的に判断します。
マイナス面:損得に敏感で、打算的。人間味に乏しく、現実対応中心で夢がない。考えすぎて行動が伴わないこともあります。
④自由奔放な心・・FC
プラス面:自然に自由に表現できます。欲求に素直で人間味に富んでいます。
マイナス面:自分の欲求を満足させようと、相手に幼稚な印象を与えます。わがままで身勝手で、自分の感情に振り回されやすいです。
⑤順応的な心・・AC
プラス面:相手に配慮し、協調的で集団の輪を大事にします。自分をおさえ、周りに合わせます。
マイナス面:対人関係に疲れてストレスを感じやすい。評価を気にしすぎ、素直にいえず、限界になると癇癪をおこすこともあります。
エゴグラム検査
さっそく検査をしてみましょう。下の記事ではいくつか質問に答えて無料診断できます。とてもわかりやすく丁寧に結果がでてきます。まずは50の質問にチェックしてみてください。⬇️
エゴグラムで性格診断!詳しいパターン分析でタイプを判定! | 交流分析解説
いかがでしたか?
自分の性格がわかったところで、少し解説しながら見ていきましょう。
自我状態の見方
上の場合、CPが低く、ACが高くでてます。これは、厳しさがやや足りなく、順応的な心がやや強いことを表します。簡単にいうと、人に甘めで、周りに合わせがちな性格と言えます。
どれが良い悪いは一概にいえませんが、一般に、CP(厳しさ)やAC(順応的な心)が強すぎるとストレスを強く感じてしまうようです。
これら自我状態が、出来事や相手によって、無意識に使い分けられています。
円滑な交流方法
自分自身の傾向がわかったうえで、相手のP・A・Cと同じ自我状態で関わると、円滑な交流を楽しみやすいです。とてもシンプルな原則ですが、気になる人との交流で心がけてみてはいかがでしょうか。
◎ 同じ自我状態で関わるとスムーズな交流につながりやすい
C「パフェが食べたいな、食べよう!」
C「いいよ、私はケーキにする!」
× 違う自我状態で関わると、行き違いやちぐはぐな交流になりがち
C「パフェが食べたいな、食べよう!」
P「からだ冷えるし、やめとけば」
△ ただし、A・A同士の自我状態で関わると、裏に本心が隠れた交流になりがち
A「遅れるなら、連絡すべきだよね!」
A「あなたの言うとおりね(連絡できないこともあるでしょ・・)」
まとめ
上の例だと、厳しさ(CP)が低くて順応的(AC)が高く、ストレスを抱えやすい傾向にあることがわかりました。
相手が厳しい(CP)と、自分をおさえて(AC)しまいがちです。そのため、P(親)の人にはあえて自分もP(親)のスタンスで関わることで、実はスムーズな交流となります。
それにはとても勇気がいますが、心の反応傾向は変えられなくても、行動は選ぶことができるのです。つまりカードは常に自分にあります。
今回は、エゴグラムを使って自分の性格を可視化しました。そして相手と同じ自我状態で関わると円滑な交流につながりやすいといった原則のみ書きました。
これらを生活で活かせば、なぜ自分はいつもこんな反応をしてしまうのか、マインドブロックを変える手掛かりになるでしょう。
心は揺れるものだから、一度やって確定ではありませんが、自分の傾向をつかむことで、スムーズな対人交流に繋げていきましょう。
気を使いすぎて疲れてしまう方へ
人に気を使いすぎてしまう方は、
・他人に迷惑をかけることを怖れる
・反射的にすみませんと謝まる
・頼まれると断れない
・頼みごとはできない
そんな傾向があり、人間関係でつかれます。
その背景には、神経質な気質と低い自己肯定感があります。
この記事では、そんな方が適度に力を抜いて生きやすくなる方法をお伝えします。
神経質な気質
遺伝には体質と気質があります。体質とは体の反応傾向で、高血圧や足の速さなどです。気質とは心の反応傾向で、勤勉性や神経質などあります。神経質な遺伝子は約46%親から受けつがれます。
遺伝を受けついでも、神経質か否かは、環境によるところが大きいです。ストレスの強い環境ほど遺伝は発動しやすく、より神経質になります。
遺伝と環境は、相反するものではなく、相互作用するものです。良いも悪いも遺伝的な素質が開花するかどうかは、その素質にあった環境にどれだけ恵まれるかに左右されます。
自己肯定感が低い理由
人は自立するまでに最も時間がかかる動物です。野生の鹿は1時間後に歩けますが、人の場合は1年かかります。生活の自立となると20年かかります。
特に日本の教育やしつけは、できるところを伸ばすより、できないところを直して、周りと同じにしようとする傾向があります。
それらにより、できないと感じる期間が長いほど、自己否定しやすい下地ができあがります。自己肯定感の低さは、自己否定の強さのことなのです。
そして、自己肯定感は自己効力感と違い、何かができるといった成果だけでは感じにくく、存在を肯定できることが重要になります。つまり、「すごい」という言葉よりも、「ありがとう」という言葉によって育まれます。
遺伝と環境による相互作用
それら遺伝や環境が合わさって、自分はダメだと感じるため、自分をさらけだないよう人間関係で気を使ってしまいます。人からの頼みごとを断ったり、人に頼みごとをすることも無意識で恐れてしまうのです。
すると、深い人間関係を築くのがむずかしくなり、表面的なかかわりになりがちです。用件がなければ自分から連絡することもなく、自然と友達付きあいも少なくなってしまいます。一人でいるとネガティブ思考は強まるため、自然とうつ傾向に傾いてしまうのです。
理想の自分と現実の自分にギャップがあるほど高緊張となります。そのギャップを埋めるためには"できない自分"と向きあうことが重要です。
先天的な理由なら
できない理由が発達障害など先天的な問題なら、努力してもできないかもしれません。
発達障害は健常者と比べ、できるところとできないところのムラが大きいため、できるところに目を向けて勝負すると強みになります。
例えば、気を使ってしまう人は、初対面の方にはうまく接することができるため、毎日初対面の方と会う仕事に身を置くことが強みになるかもしれません。
後天的理由なら
できない理由が後天的な問題なら、課題や役割を先のばしせずに、向き合うことが重要です。
人は人に貢献することで自分の存在を肯定できるため、どんなに小さなことでも人に貢献しているという意識が大切です。それにより感謝されたらベストですが、自己満足だとしても、自分にOKをだせるようになります。
しかし、すでにうつ傾向になっている場合は、どうしても休息が必要です。頑張った方にだけ"頑張らなくていい"という言葉があります。回復過程によって治療はことなるので医師の指示に従いましょう。うつは必ず治ります。
おわりに
神経質で自己肯定感が低い方は、人の苦しみのわかる優しい方が多いのも特徴です。過去にフランスでは、次期王様を決めるとき、人の苦しみのわかる人を重視したといわれます。人として最も尊い部分なのでしょう。
また、世の中見渡すと、記憶に残る大物は、何かしら障害があったといわれる人が多いです。人と違うことはポジティブに考えると才能です。アメリカでは生まれ持った高い資質をもつ子をギフティッドと呼びますが、読むことは長けていても計算ができないなどかなり凸凹もあるようです。
大切なのは、ストレス自体はとらえ方によって減らせること。
とらえ方と行動は選ぶことができます。転んでも転んでも歩きだす、子供から生き方を学ぶことが大切なのかもしれません。
自分が嫌いな方へ
人は、2つの世界に住んでいます。
ひとつは、現実の世界であり、外の世界。
もうひとつは、知覚された世界であり、内の世界。
あなたがもし、自分を好きになれなかったり、良好な人間関係が築けないなら、内の世界の自分と外の世界の自分とにズレがあるのかもしれません。このズレが大きいほど、人は緊張し、不安定になります。
そもそも、知覚された世界を正しいものと思い込みがちですが、そのときの価値観によっても、体調によっても変わってくるものです。
そのことを日頃から意識し、区別することで、自分の人間性や人間関係の回復をはかることができます。
一般意味論を提唱したコージブスキーは「地図は、現地ではない」といいました。地図はどれほど精密に描いても、現地そのものにならない。同じように自己のイメージは現実ではないのです。
一般意味論は心理学と共通する部分もあるが明確な療法ではない。病を治すことよりも正常な個人の可能性を広げることに重きを置いている。
自己概念
アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースの来談者中心療法のキーワードに、”自己概念”があります。自己に対するイメージです。
例えば、あなたは自分のことを「嫌われ者で、みんなから愛されない」と思い込んでるとします(自己概念)。
人はいったん自己概念を決めると、ひとつひとつの経験から柔軟に修正するのが苦手です。当初きめた自己概念に固執する傾向があるためです。
できない証拠をみつけて、傷つき続ける方は、「どうせ私は嫌われ者だから」とか、「やっぱり私は嫌われてる」と、理由を並べがちです。
この傾向をふまえて、ロジャーズは、カウンセリングの目標を、「十分に機能している人間」としました。つまり、自らの実感を頼りにして生きている人間です。
よりよい人間関係のためにも、自己イメージに固執しないことが重要です。そのためにはフィードバック機能としての確認が欠かせません。
具体的には、日頃発していることばについて2つ心がけましょう。1つは”ことばの抽象度を意識する”こと、もう1つは”ことばの情緒的な影響力を知っている”ことです。
例えば、「嫌われ者で、みんなから愛されない」ということばは、とても抽象的です。”嫌われ者”ということばでは、当然その人自身を言い表せてないし、”みんな”とは誰のことかも曖昧です。そして、現実のできごと以上に、強いマイナスの感情をイメージさせます。
ことばの抽象度を意識する
ここで、理解を深めるなら、具体的なことばにすることが大事です。住所と同じように、住んでいるところは日本なのか、何県なのか、何番地に住んでいるのか。
”嫌われ者”というのは、自分の内のどういう部分か?”みんな”とは誰のことか。たいてい目に付くレベルの2~3人であることが多く、そんなに考えていない人が大多数です。
ことばは便利だけど、誤解をまねくことが多いです。ことばはいつでも言いすぎるし、足りないもの。現実のもの全てをことばにできるわけではないので、ことばで100%表すことはできません。当たり前のようですが、忘れがちなことです。
ことばの情緒的な影響力を意識する
ことばは表現の仕方しだいで、実際のものごと以上の反応を引きおこします。例えば「嫌われ者」ということばはネガティブだが、名著"嫌われる勇気"では、人は嫌われることで自由になれるとあります。
つまり「嫌われ者」とは「自由な人」と置き換えられますが、響きや雰囲気がまったく違います。だからこそ、ことばを意識して使いたいものです。
古来、日本人は、ことばには強い力があると信じてきました。だから、むやみに発することはせず、無用な争いを避けてきた歴史があります。
憲法9条の文面を変えたくない気持ちも、ことばにすると現実となってしまうのではないかと恐れた日本人の心情が表れている気がします。
まとめ
人間関係で悩んでる方は、適切なフィードバックが入りにくいといわれます。一人でもくもくと考え込むと、推論が入りこんで現実とかけ離れていることが多々あるので、注意したいところです。
現実の世界と、知覚された世界とを区別できれば、ことばに振り回されることがへります。外の自分と内の自分がズレてると感じるなら、自分がどんな人間か100個あげてみてください。きっと新しい自己イメージができます。
【父親の役割】ゴリラから学ぶ父性
父親の役割ってなんでしょう?
母性には母性本能という言葉がありますが、父性本能という言葉はありません。
今の時代、イクメンがもてはやされていますが、少なくとも家事を手伝うことが、生物学的によい父親ではないようです。
今回は、父親らしさについて、本来の姿を、類人猿で唯一家族で暮らす雄ゴリラから紐解きました。
父性本能という言葉はない
母親らしさは、子供を身ごもり、おっぱいをあげると芽生えるといいます。これは母性本能という”本能”です。
一方、父性本能という言葉はありません。父親らしさは、子供が生まれたら本能的に芽生えるものではないようです。
母親は子を10ヶ月も身ごもって、そして大変な思いをして生みます。僕は立ち合いをしたのですが、へその緒を介して母子がひとつに繋がってる姿は、宇宙船とつながってるパイロットのようです。
これは男にはない体験です。なので父親は、生まれてすぐに父親だっていう実感がわかないのもうなずけます。
類人猿からの進化
類人猿とは、見た目でわかりやすく言うと、しっぽのない猿です。人類と最も近い存在です。
人類の祖先は、
・1900万年前にテナガザルと別れ、
・1600万年前にオラウータンと別れ、
・900万年前にゴリラと別れ、
その後、人類(猿人、原人、旧人、新人)と枝分かれしました。
その人類で唯一絶滅をまぬがれたのが、僕ら現生人類です。
新人にはネアンデルタール人などいましたが、これも絶滅しています。その遺伝子の数%程度、僕ら人類にも混ざっているようですが。
オラウータンのオス
子育てはメスのみで、オスは単独で生活します。
まったく子育てに関与せずですね。
チンパンジーのオス
こちらは遺伝子的にはもっとも人間に近いのですが、オスは自分の子供を育てません。
チンパンジーは、血のつながりのないメンバーとも共同体を作ります。
そして、となりの集団と戦い、共同体を守ります。
しかし、常にボス争いをして内輪で殺し合いがあり、オスは自分の子供でも他人の子供でも関係ないようで、子育てに関与しません。
ボスが多くのメスと交配し子孫を残しますが、実際は、ちゃっかり者がけっこう子孫を残してるようですw
ゴリラのオス
これが人の父性にもっとも関係しているようです。というのも、類人猿で家族で動くのはゴリラだけだからです。
ゴリラは血のつながった家族の群れで生活しますが、シルバーバックという雄が一家の長となり、敵から家族を守ります。
そして、乳離れした子供を受け入れ、遊びにつきあいます。
寝転がってるシルバーバックのお腹の上で、じゃれている子ゴリラ。払いのけることもなく、寝転がって受け入れています。
さらに、争いがおこれば公平に関わり、困っていれば助けます。
雄ゴリラは、母親のいなくなった子ゴリラも保護するんだよ
まじか!!
ゴリラは、長い間の子育てで父親になり、家族となります。
そして、来るべき時が来たら、母子関係を引き離して、子ゴリラに対等な付き合いを教えて社会に出します。
ヒトのオス
遺伝子的にはチンパンジーに近いのですが、違いは家族と共同体どちらも持ち、となりの共同体とも連携できるところです。
血族だけ連携して子孫を残すなら、実は細菌でもできるようです。
しかし、血のつながりのないものと協力し合えたからこそ、人類で唯一絶滅しなかったといわれています。
これは、実は大脳が大きいからという理由ではなく、二足歩行により骨盤が狭くて、子供を産むのにも他者の協力が必要だったからといわれています。
かつ、ネアンデルタール人のように大きな動物を一撃で仕留めるほど身体能力が高いわけではなく、弱かったからこそ多くの協力が必要だったから。
もちろんオスの狩りだけではなく、メスもどこにいけばどんな食べ物があるか、おしゃべり好きだからこそ、生き延びれたようです。
結局、協力し合った方が、生き延びる可能性が高かったのです。
まとめ
父性本能はありませんが、ヒトもゴリラ同様に、長い間の子育ての中で父になり、家族となります。
そんな父親のもっとも大事な役割は、本能で子供と一体化しようとしてしまう母親から子を引き離し、社会にだすことだといわれています。
子供に公平な付き合いの中で、社会を教えることが本来の姿かもしれません。
いま、核家族で共稼ぎの世帯が多いと思います。うちもそうです。
その中で、父親も家事をするのは当たり前だと思います。
しかし、家事をすればいい父親かといったら、生物学的にはそうじゃないようです。
ときに、子育てで妻と衝突することはあると思いますが、
そんなとき、なんでも妻に同調するのではなく、
子どもの自立を考えて接することができるのは、父親ならではのようです。
森林療法とメンタルヘルス
日頃、体より頭を使いすぎていると、知らず知らず思考や不安にとらわれがちになります。
時に、自然の中で五感を開き、心のバランスを整えたいものですね。
世界中どこにいっても”自然”は癒しの上位です。
日本ホリスティック協会会長であり、日本森林協会の理事でもある降矢英成先生を勉強会にお呼びして、森林療法とメンタルヘルスについて伺ったのでまとめました。
はじめに
「森林浴」という言葉が”心地よい”とか”癒し”として広く知られるようになっていますが、 近年、さらに発展して「森林療法」という概念が生まれています。
特に、メンタルヘルス不全の人がふえている現状において、自然、森林を活用した取り組みである「森林療法」が注目されています。その効果として、自律神経系、内分泌系、免疫系への影響が起こることが種々の研究によりわかってきてます。
メンタルヘルスへの効果としては、主に自律神経系への影響が大きいとされています。今回は、メンタルヘルスへの森林療法の影響について紹介するとともに、実際に近隣のフィールドに行ってセルフケアが行えるようお伝えします。
森林浴とは
森林に入り、樹木の香気を浴び、精神的な安らぎと爽快な気分を得ること。
森林療法とは
健康のために森林を活用すること。(NPO法人日本森林協会による)
健康:健康増進、病気の治療、福祉・療育。
森林の活用例として、スポーツ・レクリエーション(ランニング、歩行、登山、キャンプ、カヌー)、農業体験、林業体験、キノコ狩り、木工、染色、クラフトづくり、自然観察、学習など。
心と体のストレス反応
ストレスが起こると自律神経、ホルモン、免疫などに影響します。
副腎皮質からステロイドホルモン分泌が増加。→血圧、血糖などの上昇
交感神経からアドレナリンの分布が増加。→血圧、心拍の上昇
特に自律神経への影響が強いですね。自律神経とは内臓や血圧などを無意識のうちに自動的に調節している神経です。
交感神経は、緊張・興奮・闘争か迷走。副交感神経は休養・リラックスなどに関与。
この働きが悪くなったりバランスが崩れると、自律神経失調症や高血圧症など生活習慣病につながりやすいといわれています。
森林の効果
・ストレスホルモンが減少
40分の森林浴で唾液中のコルチゾールというストレスホルモンが減少。
・生理的にリラックス
森林浴時には脳の前頭野の活動が鎮静化し、交感神経の活動が抑制され、拡張期血圧も優位に低下。
・ナチュラルキラー細胞が活性化
森林の植物から揮発性芳香物質(フィトンチッド)がでることで、鎮静効果、やすらぎ、興奮・眠気覚まし、α波の増加作用があります。
人の恒常性を維持する、”ホルモン”、”自律神経”、”免疫”がすべて関与してます。
森林の快適性
1.視覚の快適性
美しい風景や景観の構成要素(樹木、草花、野鳥、蝶なども含まれる)
2.聴覚の快適性
森の静けさ、風の音、小川のせせらぎ、小鳥のさえずり、虫の声など
他にも嗅覚や触覚もありますが、目に見えないフィトンチッドの影響も受けています。
森林セルフケア
森に行って自然に無理なく自分自身をケアする健康法。さらには、よりよく生きる力を引き出すエンパワメントの効果もあり。
難易度によるコース分類として
A)難易度が最も軽いコース。傾斜は5%程度以内、時間は30分程度。
B)中間的なレベルのコース。心臓、足腰に問題がない人なら適度な運動になるコース。
C)健脚向きのコース。アップダウンが多く、山道で距離も長いコース。
森林が深いと、自然に対して畏敬の念を感じるね
いきなり山道より、身近な神社や公園かな
森林療法するうえでのポイント
・自然を散策するのに適した服装で
(長袖、長ズボン、帽子、スニーカー、水分)
・ビジターセンターに立ち寄ろう
フィールドの現在の情報(気候、コース、動物、マップの入手)
危険動植物
蛇(マムシ):湿地などでみだりに奥深く入り込まない、岩陰に手を入れない。
スズメバチ:黒い服を着ない、香水は薄く、数匹いたら避ける。
熊:鈴の持参、出会ったら威嚇しない、後ろを振り向かない。
ウルシ:つる植物・紅葉にみだりに触らない。
森林散策(実践)
・森林に入る入口で、目をつぶって視覚以外の感覚を感じます。
人は視覚に7割たよっているため、視覚遮断することで他の感覚を上げます。聴覚では風に吹かれた草の音や虫の声に気づきませんか?嗅覚はわかりにくいため、片鼻をおさえてもう片鼻で感じます。
・木洩れ日の下で呼吸法
体を回旋して、たらした両腕を振ります。膝もやや曲げて体ごとふり、手がつるのように体に巻き付くようにすることで、体がほぐれます。
へそに手を当てて、お腹がへこむように息を吐き、お腹が膨らむように息を吸います。
・森林を観察しながら散策
葉っぱはどんな形をしていますか?杉とひのきはにていますが、杉の葉っぱはトゲトゲして、ひのきはうろこ状です。植物の違いに気づくと、森に親近感がもてるようになります。時に大道から小道に足を運び、冒険心をくすぐりながらいってもいいでしょう。
リラックス目的の方もいれば、リフレッシュ目的の方もいるでしょう。
どちらも満たそうとすると、帯に短したすきに長しになってしまうかもしれません。
まとめ
・森林を健康に利用したのが森林療法。
・森林療法は、人の恒常性であるホルモン、自律神経、免疫全てに影響する。
・五感を感じて呼吸法。
治療とは、一過性では意味がありません。継続するにはいかに主体性を引き出せるかが重要です。
そのためには森林を身近に感じ、心地よい感覚の体験からはじめたいですね。
自然からかけなはれた現代だからこそ、昔の生活に戻るのではなく、意識を少し自然に寄せてみてはいかがでしょうか?
【森林浴エクササイズ】ノルディックウォーキング
森林浴が気持ちい季節になってきましたが、お出かけしてますか?
一日中座りっぱなしで作業していると、肩がこりますね
運動がいいとわかってても、家に帰ればぐったりしてやる気もでません。
でも、動かないことでの疲労感と、動いたあとの疲労感は別物です。
天気のいい休日は、木洩れ日散策でもしたら、心地よい疲労感で満たされるでしょう!
静岡大学 教育学部 保健体育講座 生涯スポーツ教室 教授の杉山康司先生から、森林浴エクササイズの理論と実践を学びました。
森林浴とは
自然の空気に触れることで、体も心も健康になるという森林浴。もし本当に森林での空気を感じるだけで健康を獲得できるのであれば、単に田舎に住みさえすればいいです。
しかし、それだけでは健康は獲得されることはありません。
例えば、都会の生活に慣れた人々が田舎に住めば移動は不自由となり、車を頻繁に利用することが予想され、身体の機能低下をむしろ促進することになります。
現に田舎に住む子供は運動不足。森林の恩恵を存分に受けるにはその空気をどのくらい吸ったか、その場に足を運ぶための運動機能をどれくらい維持できるかによると思われます。
今回は田貫湖周辺の森林をノルディックウォーキングで散策しました。バランス感覚、脚筋力、呼吸関連の筋群に注目した運動などをお伝えします。
ノルディックポールの長さ調整
ポールは肘が90度に曲がる程度の高さに調整します。杖先は斜めで、長い方が後ろを向きます。
ポールを使った準備運動
・股関節の柔軟性を重視します。腰割(両足を広げ深く沈み込みます)、アキレス腱伸ばし(片足を一歩前に出して伸ばします)、腸腰筋伸ばし(アキレス腱伸ばしをさらに深く沈みこむと太ももの前が伸びます)など行います。
・大股2歩を大きな幅でできるかどうかで身体能力を評価します。幅が小さかったり、体幹がぶれたりしてませんか?
・ジャンプで疼痛誘発評価します。歯が痛むとか膝が痛むとかありませんか?
・両手を上にあげ、パッと横水平に開きます。自分のイメージ通り水平になってますか?
ノルディックウォーキング
腕を後方に伸ばすことを意識してノルディックウォーキングをスタート。
今回は、4km程度、コースから森林に入ったり、会話しながら歩きました。
途中、片脚立ちで靴の着脱をして動的バランス評価。靴ひもを開閉できますか?
腹に空気をため、腹圧かけて吐き切ると腹と背が付く感覚になります。その状態のまま歩いたり会話すると背筋が伸びます。多裂筋を使っており、横隔膜とくっついているため姿勢を良くするのに必要な筋肉です。
意識して強く吸ったり吐いたりする呼吸法では、思い切り息を吸うと肩こりに関係する前鋸筋を使います。思い切り息を吐くとお腹を凹ます腹横筋を使います。
ポールを使って地べたから片脚で立ちあがる。椅子の高さから立てなければ、体重が重く、腰や膝に負担がかかっているサインです。立ち上がれましたか?
*クールダウンは準備運動と同様ですが、ゆっくり息を吐きながら整えます。
人間本来の歩き方
ヒトは昔、走り続けて獲物をとりました。走ることが大事で、できなければ歩くくらいの優先順位です。
本来の歩き方は、かかと接地ではなく、フラットに足裏から足先接地です。現代のかかとの厚い靴ではなくて、とび職の方がはいてるような足袋(薄いゴム)で自然を駆け回ると良いそうです。僕も一足もってますw
足袋はいてデコボコ道やくさっぱらを歩くと気持ちいいよ
コーディネートが難しいけどな
体験してみて
大自然のなかでは、五感が働きます。急に飛び込む虫をよけたり、天気は大丈夫か気にしたり、風の音や鳥のさえずり、香りも無意識に入ってきます。凸凹道をバランスを崩さずに歩くのにも身体感覚が磨かれます。
それに比べて、日頃デスクワークでは、単一な床、人為的な雑音、一定の空調、二次元の画面ばかりで、脳の機能は低下します。それどころかあえて五感を閉ざして生活しているかもしれません。
子供たちの脳の発達には、自然に身をおくことが最も重要だと感じます。
最近、先進国ほど注意欠陥多動性障害が増えてます。その原因のひとつに自然欠乏と言われています。
大人も脳機能の低下により、小さなミスを繰り返したり、考えすぎて寝付けなかったり、疲労が回復しなかったりと支障がでてはいないでしょうか?
脳科学的には、2週間に一度は自然のなかに身をおきたいものです。
【アニマルセラピー】動物との触れ合いによる癒し
アニマルセラピーとは、一言で言うと、動物との触れ合いによる癒しです。
SNSで犬や猫の画像を見ると、ついつい見てしまいますよね
ちなみに、僕は猫派です。あのツンデレに弱いんだなー
人類と最も古くから付き合ってくれた動物は、犬といわれています。 約3万年前に狩猟採集をしていた頃から、オオカミを家畜化して、猟をしたり、野獣から家を守ったり、よいパートナーになったようです。
続いて猫。約1万年前、農耕に変わった頃から、農作物を狙うネズミなどを駆除してくれるため、飼われました。
徐々に羊、豚などを家畜化し、約5000年前から馬がパートナーになりました。
改めて絆を感じますね。
アニマルセラピーについての勉強会がNPO法人EPOにて行われました。
会場であるEPOさんは、農場によって障がい者の就労の場づくりを行い、乗馬を楽しむ仲間で「生きがいづくり」や「社会参加」 に取り組んでいる自然豊かな場所です。
元帝京科学大学生命環境学部教授の滝坂信一先生と、EPO理事長の高橋智様からアニマルセラピーの実学を学んだのでまとめました。
アニマルセラピーとは
アニマルセラピーとは、動物と触れ合わせることでその人に内在するストレスを軽減させたり、あるいは当人に自信を持たせたりといったことを通じて精神的な健康を回復させることができると考えられている。
引きこもりや不登校に対し、馬やイルカなどの情緒が安定してる動物との触れ合いを通して、他者を信頼できるようになるといわれます。
馬による癒しは、乗馬療法、ホースセラピーなど呼ばれております。
EPOでの自然循環型システム
EPOでは、引きこもりや発達障害をお持ちの方の就労支援として、農業や畜産を活用されてます。
百姓とは、百の仕事があるとのことで、それぞれの適正にあった仕事を割り振っており、全国でもめずらしい就労福祉施設のようです。
また、5000 坪ある敷地で飼育している子羊は、おいしいラムとして全国でも指折りに入っています。
犬は野獣から畑を守り、猫はネズミを駆除し、羊は雑草をたべてくれて、馬は癒してくれる。
人も動物も自然の中でそれぞれの役割を全うし、循環された自然の一員という印象をうけました。
乗馬体験
実際に馬に乗らせて頂きました。近くで見ると結構大きく感じます。
馬に乗る前、馬に挨拶をします。
乗り上げるとき、高いなーと感じました。そして歩き出すと、昔、父親におんぶされたような感覚になりました。
力を抜いて感覚を澄ますと、 馬の温もりや息づかい、歩く振動が体を通して伝わります。車など機械とまた違って、こちら側にも馬へのいたわりや配慮が必要です。
施設内を回りながら、ずっと乗っていたいなーと思いました。
降りた後も、馬にひと言お礼を伝えます。
体の反応
馬の背なかで揺らされると、姿勢に関する体のセンサーが反応して、首や姿勢が整ってきます。
耳の奥には三半規管があり、いつでも首を水平に保とうとする働きがあるためです。
あえて不安定なものに座ることで、姿勢を保とうとするインナーマッスルが刺激され、適度な緊張状態となり、姿勢が良くなるメカニズムです。
心の投影
施設内の自然を感じながら散策した後、 パートナーとなる馬を選び、ブラッシングで触れ合いました。
馬のように要求行為が少ない動物は、人の方が気持ちを察して働きかけるため、その人の心が投影されやすいといわれます。
それぞれが馬との交流の中で、本来の自分自身を垣間見るきっかけになったかもしれません。
ブラッシングしながら、気持ちいいか―とか話しかけちゃうね
腹減ったか―とかね。あたしかっ
まとめ
こうした身も心もゆだねることができる馬は、人にとって5000年以上前からのパートナーであり、 かけがえのない存在だったようです。
乗馬後に汗ばむ馬の背をケアするなかで、 同じ動物なんだとあらためて気づかされました。
今回は、乗馬を通して体と心の反応を書きましたが、僕らは犬や猫など動物とのふれあいにより生理的・心理的・社会的な恩恵を受けています。
パートナーとして一緒にいることで、家族のようにかけがえのない存在になっている方もいるのではないでしょうか
【睡眠障害】感覚遮断より自然な環境を
最近ぐっすり寝れてますか?
日本人は睡眠不足というよりも睡眠負債といわれています。もはや不足じゃなくて借金ですね。
仕事や家事でぐったり疲れて、睡眠を削ってスマホをみたり、
今日あったモヤモヤが浮かんで、入眠しにくかったり、
つらい夢ばかり見て、途中覚醒してませんか?
睡眠は貴重なメンテナンス時間です。
今回は、睡眠の質を高めるコツをお伝えします。
睡眠トラブルと対策
実は睡眠はその人特有のパターンがあります。一律みんな7時間ねればよいわけではありません。
自分の身体にあったリズムをみつけ、同じ時間に適切な量をとれば、体も軽くなり、すっきり目覚めるはずです。下の項目であなたにしっくりくるものを見つけ対策してみてくださいね
➀いつも眠い。すぐに眠れる人(慢性睡眠症候群)
いつでもどこでも5分以内に寝つける方は、慢性的な睡眠不足が疑われます。
対策:5分、10分とコツコツ寝て調整しましょう!
②寝つきが悪い人(入眠困難)
眠れないと誰でも雑念が浮かぶものです。睡眠は身体の生理現象なので身体を調整しましょう。
対策:
・入浴後1時間あけると程よく体温が下がり入眠しやすいです。夕方の速歩き(激しすぎないこと)も同様に寝付きやすいです。
・夜は風呂や脱衣所の電気を暖色系にすると刺激が少なくてよいです。
・枕は寝返りを妨げない高さがよいです。運動習慣がない人は寝返りが乏しく体を持ち上げにくいため、枕や寝具は低反発系はおすすめしません。
・頭を冷やして首や骨盤を温めると寝やすいです。
・夏は寝始めにクーラーをかけておくと快適で寝付けやすいです。
*僕の場合、どうしても寝れない時は、youtubeで30分程度の暖炉の動画を薄目で見ながら寝るとうまく寝付けます。
③途中で目が覚めちゃう人(途中覚醒)
トイレ、寒暖、悪夢、家族などの影響で途中で起きてしまい、その後なかなか寝れない方。
対策:
・トイレに起きる方は、寝る15分前から足を心臓より高く上げて、足のむくみを尿で排泄してから寝ましょう。
・寝るとき仙骨(お尻)をあたためると、副交感神経優位になり休息モードに入りやすいです。電気あんかは温度が一定でNG。自然に冷える湯たんぽが自律神経にやさしくお勧めです。(レンジでチンするユタポンが楽)
・寒くておきてしまうなら、寝起き暖房も手です。
・暑くて起きてしまうなら、クーラータイマーを活用しましょう。
・悪夢で起きてしまう場合、必要だからでるといわれます。辛いことに慣れようと脳内でシミュレーションしてくれてるのです。女性で多いのは鉄分不足の影響もあるといわれています。鶏肉などからハム鉄を取りましょう。
④睡眠リズムが前にずれる人(自転同調障害)
地球の自転との同調障害といわれます。
対策:
・遅寝遅起きがお勧めです。年齢とともに基礎代謝が落ちると起きてしまいがちです。脳内で情報の整理がさほど必要ないためとも言われます。そういった方は真っ暗の部屋で寝るのがお勧めです。
⑤自律神経障害、体温調節障害
人はもともと海にいた期間が長く月の影響をうけています。その後、陸に出てから太陽の影響が強まり、光のリズムに同調しています。自律神経を整えるにはこうした自然のリズムにあわせるとよいです。
対策:
・これも入浴後1時間あけて寝るとほどよく体温が下がり、睡眠の質があがります。
・もっとも影響のあるものは朝日を浴びることです。遮光カーテンをなくして薄いカーテンで寝ましょう。就寝時間よりも起床時間をそろえることが大切です。人は朝日をあびてから16時間後に眠くなるためです。
⑥睡眠圧不足
ぐっすり寝るには睡眠の圧力をためることが重要です。眠れなかった翌日は、できるだけ日中眠らないようにします。
対策:
・夕方うたた寝すると夜の睡眠圧が下がり寝つきが悪いので我慢しましょう。
・夕方速歩きや骨盤底筋体操により体を温めた後、体が冷える過程で眠くなります。
⑦うつ症状
対策:
・すでにうつ病の方は病院の指示に従ってください。そこまでいかないけど気分が上がらない方は、認知行動療法で一日の締めくくりにポジティブなことを思い浮かべることで、ネガティブ悪循環に陥らず、ニュートラルにリセットできます。
・日中陽の光を浴びて速歩きも、メラトニンホルモンバランスが整い推奨です。
睡眠と3つのホルモン
日本は世界でも睡眠途上国だといわれております。
睡眠はメンテナンス時間という認識をもち、削るものではなく最優先したいものです。概して睡眠を十分とる方は、もっている能力を最大限発揮しやすいものだからです。
睡眠中には主に3つのホルモンが出ます。
・成長ホルモンは修復ホルモンとも言われ、疲れた体を修復します。
・その後コルチゾールがでて起きる準備が始まります。
睡眠環境
音や光、動物
もともと人は長い間雑多の中で眠っていました。たき火の周りを血族みんなで囲み、犬や草食動物とも同じ空間で寝ていました。
肉食獣に襲われないか常に危険と隣り合わせなため、犬が安心して寝ている寝息や、草食動物の咀嚼の音が聞こえた方が安心して眠れたようです。
また、現代の狩猟採集民族の方たちも、年齢によって起きてしまう時間まばらのようです。お年寄りは早く目覚めてくれた方が、肉食獣を警戒できメリットが大きいのです。
それに対して現代人の睡眠環境は、まっくらで物音もせず感覚遮断されています。その環境が安心できないため寝れないとも言われております。
僕はここ数年アラームに頼ってません。というのも電子音で急に起こされると体がしんどいからです。遮光カーテンをしめないで、寝る前に何時に起きようと意識するだけで目覚められるものです。起きた時のすっきり感が全く違います。
寝具
臨床ではどんな寝具がよいかよく聞かれます。最優先しているのは寝返りのしやすいものを重視してます。自然な寝返りをさまたげない寝具が理想です。
そのために枕はサイドが盛り上がっている方が、横向きになった時に頭が落ちず良好です。また、肩の下まで少し入り込むとよりフィットします。
僕の場合は、薄い掛布団をくしゃっと丸めて枕のうえにおきフィットさせて寝ています。これが一番簡単で一番長続きしてます。
小さいお子さんがいるお母さんは、子供と一緒の布団だと、子供をつぶさないように夜中体を緊張させてるものです。
朝起きてすでに肩がこるようでしたら、布団をわけて寝ることも重要だと思います。お母さんの健康がお子さんの健康にとても影響するからです。
まとめ
・睡眠はメンテナンス時間。
・それぞれの睡眠障害パターンから対策をとる。
・推奨の睡眠環境
自分の睡眠パターンをしることで、自分流に睡眠の質を高めましょう。素晴らしい1日は素晴らしい睡眠から始まります。
緊張性頭痛と偏頭痛の違い
頭痛の原因はいろいろですが、特に多いのは緊張性頭痛と偏頭痛。区別できずに薬をのんでいませんか?
実は、この2つの頭痛は、真逆のメカニズムで起こります。そのため、対策も真逆なんです。
この記事では、頭痛で困っている方が、自分の頭痛の種類を知り、対策できるようまとめました。
緊張性頭痛のメカニズムと対策
緊張性頭痛は、その名のとうり筋肉の緊張により、頭をしめつけるような頭痛です。特に頭の前、後、首・肩回りの筋肉がつらくなります。
ずっと前かがみ姿勢で作業していると、眼精疲労と首や肩がこりだし、さらに精神的なストレスが加わると、交感神経が優位になり筋肉は緊張します。
それが血管を圧迫すると、細胞は酸欠で老廃物が発生し頭痛になります。
本来は動物なのに、不自然な静物だから起こるのです。
筋肉が緊張して起こるため、対策は筋肉を緩めることです。手っ取り早くできるのは温めたり、運動することです。首回りを温めたり、軽めのジョギングや速歩きがオススメです。薬はロキソニンなど鎮痛薬で楽になります。
私は寝るときに、ゆたぽんを枕の上におき、首の後ろを温めながら寝ます。
偏頭痛のメカニズムと対策
一方、偏頭痛は、目や耳や鼻の神経につく血管が広がることで、神経が引きのばされておこります。そのため、光、音、匂い刺激に敏感になります。
血管が広がる原因としてセロトニン過剰放出があり、ストレス、月経、気圧変化、運動、飲酒などあわさって片頭痛は起こりやすいです。
血管が広がることで起こるため、対策は冷やすことや、暗い部屋で安静にすることです。薬はトリプシン系がききますが、頭痛が起こる前兆で飲むと大半の方は30分程度で消失します。
なお、片頭痛の方の76%は肩こりがあるため、緊張性頭痛だと勘違いされる方も多いです。偏頭痛は、鎮痛薬では改善しないので、服薬後4時間たって落ち着いたとしても、薬の効果じゃなく自然鎮火しただけです。
片頭痛は自分なりの前兆がわかると対策しやすいね
あたしゃ首を振ると頭痛ひどくなるよ
緊張性頭痛と偏頭痛の違い
もっとも簡単な見分け方は、動くとよけいつらければ偏頭痛。動いちゃった方が楽ならば緊張性頭痛です。
まとめ
緊張性頭痛と片頭痛はまったく逆のメカニズムでおこります。中には緊張性と偏頭痛が混合して起こる方もいます。どんな状況でどんな頭痛だったか日記をつけると対策が打ちやすいです。頭痛は点でなく線で捉えましょう。
なお、薬は1週間に3回以上飲むと、さらなる頭痛につながることがあるので飲みすぎに注意です。
唯一命に係わる頭痛は脳出血性の頭痛であり、ハンマーで頭をたたかれたような痛みを感じます。片方の手足に違和感を感じたり、ろれつが回らないなどあれば、我慢せずに脳外科にいきましょう。
【薬膳】自然と調和した食事
生まれ持った体質や、その日の体調に合わせて食材を変えてバランスをとるという考え方があります。
”食”という字は”人”に”良”いと書きますが、どんな食事を意識すればいいのでしょうか?
国際中医師であり薬膳師でもある石部晃子先生から、薬膳による整体観を学びました。
薬膳とは自然と調和させて健康に導く食事で、 今回は陰陽論をベースにお話し頂きました。
たとえば、 落ち着きがなく動き回る男の子と、 くよくよして消極的な女の子がいたとします。
陰陽論では、 それぞれ陽体質と陰体質と分けて、陽体質には陰のエネルギーの食材を、 陰体質には陽のエネルギーの食材を使うことで、バランスをととのえていきます。
では、どれが陽でどれが陰の食材かというと・・・一度読めば感覚的にわかると思いますのでお子さんに活用してみてはどうでしょう!
薬膳の整体観とは
薬膳とは、健康になるための食事のこと。
健康とは、自然との調和。
病気とは、自然との不調和。
人間も自然の一部であり、こうした考え方を天人同一説といいます。
もし病気になった時は、自然と調和させて健康に導くこと。
自然界の法則(陰陽論、五行論)で調和させて整える。
それが薬膳の整体観です。
陰陽論
陰があれば陽があり、陽があれば陰があるように、互いが存在することで己が成り立つ考え方です。
中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つのカテゴリに分類する思想です。
陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こるとされます。このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽論などと言います。
陽はエネルギーを放つイメージ、陰はエネルギー吸収するイメージです。
基本は、太陽は陽で、地面は陰です。
例えば、土に植えたカブが日に当たっている様子を想像してください。
太陽(陽)からエネルギーを浴びる葉は陰。地面(陰)の中でひろがるカブは陽、葉(陰)はカブ(陽)からエネルギーを吸い上げて生長します。
つまり、カブの部分は陽なので、元気のない子(陰体質)に食べさせたいです。
一方、カブの葉は陰なので、元気のあり余った子(陽体質)に食べさせたいです。
そうしてバランスをとっていこうという感じです。
陰体質と陽体質
クヨクヨ、消極的、気を使いすぎのやさしい子は、朝起きるのが苦手かもしれません。そんな陰体質のお子さんには、陽の食材をおすすめします。
陽の食材は、芽が出るもの、生まれるもの、動くもので、気を増やす特徴があります。
たとえば、にんにく、明太子、豚汁など。
一方、イライラ、落ち着きがなく、積極的な子は、席にじっとしてられないかもしれません。そんな陽体質のお子さんには、陰の食材をお勧めします。
陰の食材は、みずみずしいもの、プルプルしたもの、さっぱりしたもので体を潤してくれる特徴があります。
たとえば、レモン、わかめ、おすましなど。
舌の状態で未病に気づく
体の内にあり、唯一外に出て臓器の状態がわかるのが舌です。舌の状態で 、体質や体調を見る方法を舌診といいます。
例えば、陰体質の方は、舌の輪郭に歯形がつきがちで色が薄い特徴があります。過剰な水分があると舌がぼてっとして歯にぶつかるところがへこむためです。
陽体質の方は、舌苔が黄色っぽく、舌の色が紅いのが特徴です。炎症があると、体内の不要物を排泄しようと黄色の苔がでるためです。
舌の状態は朝昼夜でも変わりますが、舌をみて未病に気づけば、台所にある食材で整えることができるでしょう。
未病をそのままにしておくと、発育しにくい、生殖しにくい、老化しやすいなどつながります。
調味料で陰陽工夫
ひとは、体質・天気によって欲している味が違います。調味料で整えましょう。
➀酸味・・酢やレモン汁など
水を増やし引き締めます。怒りすぎに良いです。
②苦味・・抹茶や緑茶など
熱を冷まし落ち着きます。喜びすぎに良いです。
③甘味・・緊張を緩め、調和させます。考えすぎに良いです。
④辛味・・発散させて血行促進。悲しみすぎに良いです。
⑤塩味・・やる気を起こし勇気を出させます。恐がりすぎに良いです。
甘いのを欲するのは、日頃よく考えてるからだな
本当に考えてるのか?あ?
まとめ
日本人は TV で〇〇が体にいいと流れると、翌日飛ぶように売れます。
でも、どんなものでも万人に良いものはなく、それぞれ体質 や体調にあったものをバランスよく頂くことが重要。
そしてそもそも食事とは“命をいただく” ことに他ならず、気持ちを込めた料理には感謝の気持ちが自然とわくものです。
お子さんの食事やお弁当に、参考になれば幸いです。
言えなくて後悔する方へ
アサーティブ・コミュニケーションとは、自己主張をさします。いっけん、自己主張というと、攻撃的な主張をイメージするかもしれませんが、自他尊重の自己表現です。
日頃、自己主張できない方や、言い方が悪くて相手を怒らせがちな方や、言った後に自責の念で悩む方にとって、とても使えるコミュニケーション法です。
3つの自己表現法
たとえば、混雑した喫茶店でコーヒーを注文したのにもかかわらず、コーラがはこばれてきたとき、あなたはウェイトレスにどう対応しますか?
①いそがしい昼時だし、むりを言えないとおもってコーラをのむが、あとで言えばよかったと後悔する。
②「注文したのとは違いますよ、何を聞いてるんですか」ともんくを言って取りかえてもらう。
③「コーラではなくコーヒーをたのみましたよ、いそがしいと思いますが取りかえてくださいね」ときちんと依頼する。
この例では、①はノンアサーティブ(非主張的)、②はアグレッシブ(攻撃的)、③はアサーティブ(自他尊重の自己表現)コミュニケーションとして分けられます。
①ノンアサーティブ(非主張的)
これは、相手にあわせ、自分の感情をおしころした行動です。イヤと思ってもはっきり断らないで、結果の怖さをかんじる傾向があって、引きうけてしまいます。すなおでなく、気持ちをおさえているだけに「私がゆずってあげたのに・・・」という恩きせがましい気持ち、さらには恨みがましい気持ちが残りやすいといわれます。
人に嫌われたくないという思いや、人との葛藤をさけたいという思いが強いと、この選択を選びやすくなります。
②アグレッシブ(攻撃的)
これは、相手のことは考えないで、何より自分のことを優先する行動です。自分の気持ちをおさえることなく、しかも相手をこうりょしないだけに、相手は不快な気持ちをいだきやすいといわれます。
他人から軽視されることを怖れ、相手に勝とうという思いがつよいと、この選択を選びやすくなります。
③アサーティブ(自他尊重)
アサーティブ行動とは、「自分の人権のために立ちあがり、自分の考え・気持ち・信念などを、素直に、他者の人権をおかすことなく、適切な方法で表現すること」です。
ポイントは、相手にはいりょしつつ、自分の考えや気持ちを、すなおに表現することです。
アサーティブの歴史
アサーティブな考え方は、アメリカで1950年代に自己表現が苦手な人たちのためのカウンセリングの方法として開発されました。
アルベルティ博士らは、自分らしく生きるためにアサーティブ行動をしょうれいしており、「わたしのしようとする行動は、この人と親しい関係になるのか、離れることになるのか」と、その時々に自問自答しつつかかわろうと進めています。
メッセージの送り方
ここで、どんなスタンスに立ってメッセージを送るかは、IメッセージとYOUメッセージの二つがあります。
先ほどの喫茶店の例でいうと、あなた(YOU)を主語にしたYOUメッセージでは、「注文してたのと違うよ、何を聞いていたの。取り換えてよ」と、相手を決めつけるニュアンスが感じられ、こうあるべきだといった断定的な響きがあります。
それに対し、私(I)を主語にしたメッセージでは、「私はコーヒーが好きで、このひと時を楽しみたくて寄ったの、だから取りかえてくださいね」と、抵抗感がでにくい響きがでます。
I am OK
You are OK
このスタンスでいれたら、きっと今より生きやすくなります。
【ポジティブ日記】うつ状態からリセット
気分が落ちたとき、ネガティブな思いに囚われがちです。
そんな時は、日々マイナスに感じてしまい、人と会うのも嫌になるものです。
今回は、うつ状態の方にも有効な、ポジティブ日記のやり方をお伝えします。
毎日、寝る前に今日あったポジティブなことを書く(思う)ことで、一日をマイナスで終わるのではなく、少なくともプラスマイナスゼロにリセットできます。
気分が落ちぎみで、最近イマイチという方に試してもらえたら幸いです。
うつ状態とは
うつ状態には、身体症状、意志発動の抑制、抑うつ感情があります。
誰でも、きっかけがあればうつ状態になります。理不尽に上司に叱られたり、友達に冷たい言葉をいわれたり、人によっては昇進からもうつ状態になります。
・身体症状
当初は、睡眠障害や食欲の低下、頭重感、疲労感、いらいらなど身体的な不調を感じます。
・意志発動の抑制
次第に、何をするにも億劫で、作業能率の低下に悩まされます。
・抑うつ感情
従来の能力を保とうとし、焦燥感や不安をつのらせ、自信を無くし、思い悩むようになった状態です。
ちなみに、うつ病となると、自分が役に立たなくなって、周囲の人に迷惑をかけて申し訳ないと、自責の念をもつようになってしまいます。
不安材料を解消すれば治るものではないところが病であるところです。
現在の苦しみは耐えがたいものかもしれませんが、休養と治療によって一定期間たてば完全に治癒する疾患です。
ポジティブ日記
夜寝る前に、今日あった良かったことを3つ書きます。思い浮かぶだけでもいいのですが、書いた方が、後で見返したときによりポジティブなフィードバックが得られやすいのでお勧めです。
「今日1つもいいことなかったよー」と思う方もいるかもしれませんが、どんなにささやかなことでもいいので3つは上げてください。
というのも、理想と比較するとマイナスでも、生きていることを基準とすればすべてプラスだからです。
「今日も屋根のある家で過ごせた」
「温かい布団の中で寝ることができた」
「温かい食事を食べることができた」
このように、日頃当たり前と思っていることも有難いものですね
さらに、光を当てれば必ず影が出るように、物事には二面性があります。見方次第ですべてプラスと気づくことができれば、自然と幸せな方向に導かれるでしょう。よく陥りがちなマイナス思考の対策としてリフレーミングもあります。
ポジティブ日記を行うことで、一日の終わりがマイナスでおわるのではなく、少なくともプラスマイナスゼロで終わることができます。
うつ状態は、単発的なもので何とかなるものではないので、継続していくことが大切です。
日々ネガティブなことしか感じないとしても、有難いことに包まれてると再認識することで、今は最悪ではないなと感じられるかもしれません。
まとめ
・うつ状態には、身体症状、意志発動の抑制、抑うつ感情がある。
・誰でも、ちょっとしたきっかけでうつ状態になりやすい。
・毎晩寝る前に、今日あった良いことを3つ書く(思う)ことで、リセットする。
うつ状態は、気分が落ちてしまった状態です。その状態が続くと、次第に人と会うのも億劫となり、さらにネガティブな思考が反すうして悪循環におちいりがちです。
ポジティブ日記を習慣化することで、うつ状態を自分1人で回避しやすいため、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか